まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

シロクロネクロⅡ

シロクロネクロ〈2〉 (電撃文庫)

シロクロネクロ〈2〉 (電撃文庫)

  • ストーリー

相変わらずの妄想の日々を過ごす由真は、ある日、美術館から宝石が盗まれたというニュースを耳にする。
その宝石、“賢者の石”が盗まれたことを巡り、クロネクロ幹部は石の奪回に向けて動き出す。
一方シロネクロ協会は、雪路に戒律違反の疑いをかけ、その処遇を決める査問会を開こうとしていた……。


うーん、やっぱり主人公が好きになれない。
エロくて変態なのは構わないんですよ。でも、いざという時にまで格好良さよりもエロさを優先させなくてもいいんじゃないかと。
普段駄目なやつがヒロインのピンチを華麗に助けたりすると魅力的に見えるものだけれど、どうしてだろう、全然格好良くない。
エロ妄想で回復する能力は斬新だし、まあ笑えるんですけど、血みどろのバトルとちぐはぐすぎてどうもなあ。
色んな濃い要素を入れこみすぎてわけが分からなくなっちゃってる気がします。
あと、どうにも受け付けないのが由真の口調ですね。
いかにも今時の若者という感じのちゃらちゃらした言葉遣いには大いにイライラさせられました。
そりゃあ、リアルな高校生の口調はこんなものかもしれませんけど、これで一人称の語り手をやられると「マジ」だの「やべーよ」だの「じゃね?」だのが鼻について仕方ない。
細かいことを気にしすぎでしょうか。でもこういうのは一度気になってしまうと、もうどうしようもないんですよねえ。


新登場のマトリ先生がいい味出してました。見た目に反して凄い力があるという設定は大好きです。
敵のヴィクターも面白いキャラで、このふたりの対峙はなかなか見応えがありました。
個人的にはもっとマトリ先生に活躍してもらいたかったんですけど、これ以上やるとただでさえ影の薄い雪路がさらに隅に追いやられてしまいそうで怖い。
雪路もねえ、由真なんかにはもったいないくらいいい娘なんだけれど、どうも派手さに欠けるんですよね。
ソファイアの方がよっぽど目立ってます。気持ちをあまり外に出さないのが良くないんだなあ。
エロがあってもラブがなければ楽しさ半減です。もっとニヤニヤさせて欲しい。


事件は解決したものの、由真の能力などまだ明かされていない部分も多くて、すっきりしたようなしてないような。
ストーリー面でもラブ面でも本番はまだまだこれからといったところでしょうか。
次回は修学旅行ということで、ドキドキのイベントが期待できそうです。もちろん水着イラストは入りますよね!


あとがきのあとに「イロイロネクロ」なる掌編が入りましたが、これって普通にエピローグでいいんじゃ……。
なんでこの位置に持ってきたのかは分かりませんが、次回予告のようなものとして受け取っておけばいいのかな。


万里王の小物っぷりが素晴らしい。