まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(8)

  • ストーリー

突然の告白から考え抜いた結果、黒猫と付き合うことを決意した京介。
翌日黒猫が見せてきたのは、『運命の記述』と題された妄想ノートだった。
そのノートに書かれたことを元にして、毎日のようにデートを繰り返すふたりだったが……。


何このべた甘小説。ページをめくるたびに悶絶するんですけど。
いやもう、黒猫が可愛くて可愛くて仕方ないです。確かにかなり痛いし重いけど関係ないよ可愛いんだもの。
頬染めの威力が尋常じゃないですね。あれだけ毒舌で鳴らした女の子がちょっと攻められるだけで真っ赤になるっていうのがたまらない。
京介は舞い上がりまくって妄想大爆発だし、両者そろって息をするように桃色の台詞を口に出してるし、ええいこのバカップルめ!
にやにや過多で健康被害が出そうですよ。「はいはいごちそうさま」って感じなのに、さらに詰め込もうとしてくるとか何事ですか。
生まれて初めてできた恋人同士って、きっと本当にこんな気分なのだろうと思わされます。いいなあ。
黒猫の妹ふたりが登場しましたが、日向ちゃんがかなりいいキャラしてますね。
彼女の妹、しかも小学生におちょくられる高校生男子。ううむ、妙に心惹かれるのはなぜだ。


この巻からタイトルを変えたほうがいいんじゃないかなとか思い始めたところで、本気を出してくる桐乃さん。
毎回思うけれど、この作品はシリアス方面が不自然に唐突すぎるきらいがあって、思考が追いつくまでにちょいちょい苦労します。
それにしても、これまで京介に助けられてきた桐乃が今度は京介を助けるというのは、なかなかに熱くなる展開ではありませんか。
いつの間にこんなにいい娘になってたんでしょう? 意地を張っていたのが少し素直になっただけのことかもしれませんけれども。
そう、本当に桐乃が素直なんですよね。間違いなく今までで一番だと思います。
何の他意もなく、ただ純粋に、兄のことを思いやっていることがひしひしと伝わってくる。根は優しい子なんですよね。


兄妹に彼女彼氏ができる。確かに少し複雑な気持ちではありますが、この兄妹に関してはそういうのを超えちゃっているような気が。
京介が完全にシスコンであることは分かっていましたが、まさか桐乃がここまでのブラコンだったとはね。
正直言って、桐乃に気持ちがかなり傾きかけてます。なんかこの兄妹を凄く応援したい気分。そこらへんの恋人よりもずっといい関係なんだもの。
もちろん黒猫もまだまだ未来がありそうだし、麻奈実は流石の貫禄だったし、あやせだって怪しい発言をかましてくれています。
今回でとりあえず一段落ついて、しばらくの間は誰かひとりと、ということではなくなっていきそうですけど、恋愛模様はさらに混迷を極めていきそうな予感。
わくわくしながら見守っていきたと思います。まったく幸せものだなあ、京介。


もう「先輩」という呼び方ではなくなってしまうんですかね?
そうだとしたらちょっと……いや、かなり残念かも。