まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

さくら荘のペットな彼女5

  • ストーリー

冬休みに入り、なぜかましろ、七海、美咲を連れて福岡の実家に帰省することになった空太。
実家では妹の優子がましろに謎の対抗心を燃やし始め、ふたりによる空太争奪戦が勃発してしまう。
その一方、休み明けのゲーム企画プレゼンに向け、着々と準備を進める空太だったが……。


相も変わらずラブ満載の青春模様。
ましろや七海、美咲にリタと、ページをめくるたびににやにやさせられるんですけど、なぜでしょう、読めば読むほど心に傷を負っていく気がします。
小説で現実から逃避しているつもりが、いつの間にか現実を見つめろと急かされているように思えてくる。
美少女とひとつ屋根の下なんていう現実離れした話なのに、そんなところで感じるリアリティ。胸が痛い。


とにかくましろが可愛かったです。何この破壊力。か、体が! 体が痒いよ!
何度でも言いましょう、空太の精神力はどうなっているのか。鉄の意志どころの話じゃないよ。チタンコートかよ。
イラストにまた悶絶しました。いつもドライヤーをかけていることは知っていたけれど、この密着具合は何事ですか。優子の指摘はこの上もなく正しいと思います。
いつも通り無表情に見えて、空太のことを本格的に意識しているような描写がちらほらとありましたね。
七海もそろそろ本気を出し始めたようだし、そろそろ空太の方からのアプローチが欲しいです。
夢を追うのも大事だけれど、女の子を待たせてはいけません。もっとがっついていかなきゃ。


頑張って、頑張って、少しずつその結果が実り始めました。
高校生のうちから、こんな風に努力できるのは本当に凄い。周りの頑張りに触発されてのことであっても、やはりこれは一種の才能でしょう。正直羨ましいです。
頑張りすぎるのも考えものですけど、せっかく本気で打ち込めるものがあって、おまけにパワーに溢れた年頃なのだから、思う存分やってみればいいんじゃないかな。


頑張るのは夢に対してだけではありません。恋だって同じです。
ずっとぎくしゃくして、重い雰囲気を引きずっていた美咲と仁に、とりあえず一段落が着きました。
まったく、これだけのことをするのにどれほど周りくどいことをやっていたのか。素直じゃないなあ。
美咲と仁、どっちが頑張ったのかは微妙なところですけど、取り返しのつかないことになる前にここまで来られて本当に良かったと思います。
今から考えれば空太はひとりで空回りしていただけのような気もしますね。まあ、頑張ったことには変わりがないか。


最後に大きな爆弾を残して次に続く。美咲たちも卒業してしまうことだし、この先どうなってしまうのでしょう。
次巻は短編集のようですが、まさかその次で最終巻なんてことは……ないと信じたいですね。
空太とましろ・七海はもちろん、今回でさらに先へ進んだ龍之介とリタの今後から目が離せません。


私は断じてきのこ派です。ちょっと残念。