まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンタリアンの書架7

  • ストーリー

“幻書”の封印のため、名門女子寄宿学校カドフィール校を訪れたダリアンとヒューイ。
ヒューイは夕食会に連れ去られ、一人残されたダリアンに、世話役として手配されていたのはジェシカだった。
女生徒の集団に発見・蹂躙されたダリアンだったが、気付くと“幻書”が一冊失くなっていて……。


第一話「災厄と誘惑」はとある本にまつわる襲撃事件のお話。
謎めいた事件の真相にもどきどきですが、そんなことは放っておいて、ダリアンがとても可愛い!
レダリアンですよデレダリアン! これは貴重です!
ダリアンという子はとにかく素直じゃないもんですから(そこがいいのだけれど)、そのデレは抜群の破壊力。
たまにはこんなことがあってもいいですよね。いいニヤニヤを頂きました。ごちそうさまです。


第二話「叡智の書Ⅱ」では1巻にも登場した“叡智の書”が再登場。
幻書がもたらすものは、必ずしもよくないことばかりではないのだということをしみじみ感じました。
結局のところ、幻書は道具に過ぎなくて、それを使うのは人間なんですよね。綺麗なお話でした。


第三話「少女たちの長い夜」には4巻・5巻に登場したジェシカが登場。堂々サブレギュラー昇格かな。
基本、他人を遠ざけて興味を持たないダリアンですが、ジェシカとは毎回ちゃんと会話をしている。
鍵守のヒューイとは違い、普通の女の子であるジェシカと仲良くするのは、ダリアンにとって、やっぱり特別なことなんじゃないかと思います。
そんなふたりが主人公となって、消えた幻書を探して街をぐるぐる走り回り、残された3冊の幻書を使ってピンチをくぐり抜けていくという、とても楽しいお話でした。
ふたりのやりとりも面白いんですよね。ヒューイとのコンビにも負けていないのではないでしょうか。
ジェシカもなかなかの主人公基質ですね。格好良かったです。


第四話「鍵守」は、あとがきによると、1巻の「Episode 0」と対になるお話だそうです。
初めは何が何だか分からないのですが、謎が解けていくにつれて思わず感嘆。また上手いことしてやられたなあ、という感じ。
とりあえずアントワネットちゃん可愛い。イラストも含めて、びっくりするほど可愛い。ほんと、びっくりした……。
最後のあれはギリシャ神話かな?


断章は2本。毎度ながら、どちらも皮肉のきいたユニークなお話でした。
今回はこの作品らしからぬと言いますか、本編にダークな部分がほとんどなかったので、いつもよりも断章がいいアクセントになっていた気がします。
他の読姫の出番も少なくて、断章一にラジエルが軽く出てくる程度でした。ピンナップでは読姫3人が勢揃いしていましたけど。
次の巻ではフランの活躍が見たいところですね。夏に控えているアニメも楽しみです。