シロクロネクロ
- 作者: 多宇部貞人,木村 樹崇
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 119回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
- ストーリー
屍霊術師シロネクロとクロネクロの戦いに巻き込まれ、不慮の死を遂げた高校生・不二由真。
シロネクロの美少女・高峰雪路は、由真のえっちへの未練を糧に、彼をゾンビとして蘇らせる。
安全のために雪路と一緒に住む事になった由真だが、欲望を満たすと成仏してしまうため、えっちな行為を禁じられてしまい……。
第17回電撃小説大賞<大賞>受賞作品。
ギャグありバトルありゾンビありのネクロマンシーラブコメです。
ゾンビとなった由真の設定がユニークですね。
えっちへの未練、つまり性的欲求によって蘇ったために、どれだけ肉体的損傷を受けてもエロ妄想をすることで再生することができる。
しかし実際に欲求が満たされたり、その欲求がなくなると、つなぎ止められていた魂が成仏して死んでしまう。
どっちに転んでも死ぬという危うい綱渡りのような体質なのに、美少女とひとつ屋根の下という状況。これは辛い。
頭の中がそういうことでいっぱいの男子高校生とくればなおさらのことです。全体的に駄目な主人公ですけど、その理性だけは評価したい。
その一方、由真のノリにはどうもついて行けないところがありますね。
言葉遣いもいかにもバカ高校生っぽく、くだけすぎていてイライラ。
女の子を必死で守ろうとする姿は悪くないけど、ここぞという時の格好良さが足りないような気がします。
高峰は普段のクールな顔と、時折見せる優しさや照れのギャップが可愛らしいヒロインでした。
基本的にツンばっかりにも見えますが、最後まで読んでから考えると本心ではそうでもないわけで、色々と想像しながら読むとなかなかにニヤニヤできそうです。
エロギャグは全体的に面白かったです。
セクハラじみたものも結構ありましたけど、まあしょうがないよね! 赤面高峰、ごちそうさまでした。
命のやり取りをしながら男破威だの破暗帝だのと思い付くことができる由真は実はかなり凄いやつだと思う。とてもシュール。
妄想のせいでバトルに緊張感がまるでないのですが、まあこれはこういうものとして見ればいいんじゃないかなと。
終わり方は清々しくて良かった。きゅんとしました。
構成上、高峰と由真の絡みがあまり多くなかったので、次巻では2人の直接的なラブが見たいです。
なんだかんだでいまいち活躍が少なかったソファイアや、もう1人の主人公とも言える万里王の活躍にも期待。
イラストは木村樹崇さん。表紙の高峰が色っぽくていいですね。
できれば男キャラをもうちょっと格好良く描いて欲しいところ。
しかし破暗帝は使えるな。今度から使わせてもらおう。