まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

深山さんちのベルテイン

深山さんちのベルテイン (GA文庫)

深山さんちのベルテイン (GA文庫)

  • ストーリー

琥太郎は女の子になりたくて、いつも女子の制服で学校へ行っている男子高校生。
そんな彼を更生させようと、単身赴任中の科学者である母が残していったのが、変身機能付きのメイドロボ・ベルテインである。
愛するご主人様のため、日夜奮闘するベルテインだったが……。


短いお話がたくさん詰まったショートストーリー集。
基本的にまったりとした雰囲気だし、読みやすいので、何の気なしに読むことができます。
疲れたときに好きなお話をぱらっと開いて、ベルさんに和めばいいじゃない。


とにかくベルさんがかわいいであります、かわいいであります。
口癖の「であります」の反復は、くどいかと思ったらそんなことなくて、読んでいるうちに段々クセになってきました。
しばらくはこの口調で喋りたくなりますね。やりませんけど。
変身後の大人版ベルさんも素敵ですが、やっぱりお人形モードのベルさんがかわいらしい。愛でたい。撫でたい。うちにも欲しい。


主人公の琥太郎は自主的に女の子になろうとしている、それも一般の女の子よりも可愛い、いわゆる男の娘。
うーん、男の娘自体は嫌いじゃないですけど、琥太郎はあんまり好きになれないというか、なんか違和感がありますね。
ヒロインとして出てきたらまた違ったのかもしれませんが、主人公だからなあ。いい子ではあるんだけれど、頑固さがちょっと鼻につきました。
やっぱり恋愛方面に期待してしまうんですけど、そもそも琥太郎は男と女どっちが好きなんでしょう。
まだそういう自覚がないのでしょうか。願わくば女の子を好きでいてほしいのですが。
だってそうじゃないと理々が不憫すぎます。相手が自分を好きかどうかとか、それ以前の問題だもんなあ。
いっそ意地を張らないで素直に言ってみたらとも思いますけど、そう簡単にはいきませんよね。なんてったって幼なじみだし、相手はこんな風だし。
一方、琥太郎がどうなってもじっと見守っていこうとする耕平は本当にいい友達ですね。
琥太郎にとってはとても居心地の良い環境だから、なんだかんだでこのままずっと、この3人の関係が続いていきそうな気がします。
理々にとってはあまりよろしくない結果なんでしょうけど……。


イラストは七さん。時々入っているベルさんのミニイラストがとてもキュートです。
しかし琥太郎はほんと、女の子にしか見えないな。


作中で随一の萌えキャラは間違いなく不良のリーダーの金髪さんでしょう。なにこのひと、可愛い。