まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

薔薇のマリア Ⅹ.黒と白の果て

薔薇のマリア  X.黒と白の果て (角川スニーカー文庫)

薔薇のマリア X.黒と白の果て (角川スニーカー文庫)

  • ストーリー

ついに幕を開けた“7sとの七つの勝負”。<昼飯時>のメンバーを救うため、ルヴィー・ブルームの七つのステージに挑戦していく仲間たち。
捕らわれたメンバーを救い出し、全員無事に戻るためには、七つ全てに勝利しなければならないのだが……。


ページ数・内容合わせてボリュームたっぷりでした。
初めは分厚さに戸惑いましたけど、ぐいぐいと引き込まれてわりと楽に読めたと思います。
この1冊に迫力の戦いを7つも凝縮しているからでしょう。ずっとテンション高く、とても楽しく読みました。


メンバーがそれぞれの思いを胸に、それぞれのやり方で戦っていくさまが実に熱い。
最高なのがユリカ。色々あって不安定になっているマリアに笑ってひと言かけて戦いに赴くとか、めちゃくちゃ素敵。
飛燕とのイチャイチャっぷりも順調に加速中。戦闘中に何やってんですかあんたたち。
個人的にぐんと株が上がったのは荊王ですね。
いつの間にか普通にいい奴になっているというか、荊王ってこんなに清々しい男だったっけ?
愛する者のために、愛する者を信じて戦う。変態だろうとなんだろうと、格好良く見えてしまうのは仕方ない。
マリアは今回も見事なリーダーシップを発揮しています。
一歩一歩進んで、少しづつだけれど、着実に成長を遂げているマリア。
マリア自身の強さはもちろん、最高の仲間に恵まれたことが何よりの力の源ですよね。


今回のアジアンはふさぎこみがちです。
周りの皆を巻き込んだことに責任を感じたり、隠していた秘密が明らかになろうとしていることに恐怖したり。
深い苦しみの中にいたアジアンですが、最後には彼が誰よりも愛する者が背中を押してくれました。
極限状況でのマリアの素直なことばにはぐっとくるものがあります。
もっとも素直になったのはほんのちょっとだけで、結局いつもの調子に戻ってしまっているのはこの2人らしいところですけど。
なんにせよいいコンビだ。


しかしこうなってくると、いよいよマリアの性別が気になるところ。いつか明かされることがあるのでしょうか。
いや、もうこの際どっちでもいいような気もしますけどね。一応ね。