まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

薔薇のマリア Ⅳ.LOVE'N'KILL

薔薇のマリア (4) LOVE’N’KILL (角川スニーカー文庫)

薔薇のマリア (4) LOVE’N’KILL (角川スニーカー文庫)

  • ストーリー

訓練のため蜥蜴人の住むアンダーグラウンドD13に潜ったマリアたち。
ところが伝説の蜥蜴人・鋏使いとその仲間に遭遇し、命からがら逃げ帰るはめに。
翌日「蜥蜴四兄妹」に8億ダラーの賞金がかけられ、ZOOも参加することにするのだが……。


アジアンが異常に格好良かったです。
Ver0やⅠの頃こそ正直邪魔なキャラだと思っていたのですが、巻を追うごとにどんどん魅力を増していっています。
なんといっても強いし、マリアの愛に全てを捧げる生き様が素敵じゃないですか。
表面ではキザに振る舞いつつ、実は大きな苦悩を抱えているあたりにも好感が持てます。
今回の主人公はアジアンだったと言ってもいいかもしれない。


しかしマリアだって負けてはいません。
相変わらずうじうじと悩んでばかりだけれど、ちゃんと自分の弱さに気付く強さを持っています。
本人には自覚がないかもしれません。でもそれはやっぱり素晴らしいことで、だからこそ彼は毎日着実に成長しているのだと思います。
ZOOのメンバーに引け目を感じることもあるでしょう。自分が嫌になってしまうこともあるでしょう。
それでもその自分を受け止めて、前を向いて、仲間を信じて、高みを目指し続ける限り、道は開けていくのだと信じたい。
頑張れマリアローズ。心から応援しているよ。


戦いの中、あちらこちらで芽生え始める恋にほのぼのしました。
サフィニアは、まあ、いつも通りなのでおいておくとして(めちゃくちゃ可愛いですけど)、飛燕とユリカのコンビは意外でしたね。
そりゃ背丈的には問題ないのでしょうが……。以前にあんなことがあったのにZOOと行動を共にするなんて思ってもみませんでした。
荊王もそうですが、SmCに加担していた人間がどんどん「憎めない奴」になってきている現状がなんとなく怖い。
憎めなかろうが胸の痛む過去があろうが彼らは人殺しなわけで、気を許してはいけないキャラたちであるはずです。
印象が明るくなっていることはやっぱり認めざるをえないんですけど。これからもストーリーに大きく関わってきそうですね。


暗躍する謎の人物、深まる影。物語の裏で、何か大きな動きが垣間見えます。
次がどうなるのか全く予想できません。早く読みたい。