まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

アクセル・ワールド6 ―浄化の神子―

  • ストーリー

《加速研究会》とのバトル中に、ハルユキは突如復活した《災禍の鎧》の侵食を受ける。
彼の処遇を決めるため、《純色の七王》が二年半ぶりに集結し、《七王会議》が開かれることに。
そこでシルバー・クロウに下された決定とは、一週間以内に《浄化》と呼ばれる強化武装の完全解除を行うことだった……。


相変わらず特級の熱さを誇る1冊でした。半端じゃない。
読んでいる最中、特に中盤からクライマックスにかけては体温が3℃くらい上昇していた自信があります。
体の火照りが収まりません。手の汗も引っ込んでくれません。風邪でも引いたらどうしてくれるんですか。


《スカイ・レイカー》に続き、初代《ネガ・ネビュラス》の古参メンバーがまたひとり登場を果たしました。
どうしてこうも、出てくるキャラがことごとく魅力に溢れているんでしょうか。
現実世界での姿とは裏腹に圧倒的な強さを見せる《アーダー・メイデン》。
今まで出てきた中でも群を抜いて格好良いアバターのひとりだと思います。
リアルの可愛らしさとのギャップもたまりませんね。これもギャップ萌えと言うのでしょうか。


この作品が素晴らしいと思うのは、大迫力のバトルを演出しつつ、人と人との交わりも丁寧に描き出している点です。
敵レギオンの王でありながらハルユキと確かな友情を育んでいるニコ。
二年半の間離れていた黒雪姫やフーコと再会し、また新たな道を歩もうとする謡。
シルバー・クロウが《災禍の鎧》を召喚するのを目撃し、ある協定を結んだ名もなきアバターたち。
全ては《ブレイン・バースト》と呼ばれるゲームが繋いだ絆。
でもそれは決してゲームの中のものではなくて、確かに現実に存在しているのです。
こうしたひとつひとつのエピソードに触れるたび、心が温まっていくのを感じます。


ハルユキは今回も見事な成長ぶりを見せてくれました。
加速世界での戦闘もさることながら、現実世界のちょっとした頑張りが良かったですね。
こんな風に努力するなんて少し前まではとても考えられませんでした。
黒雪姫たちと出会い共に過ごすうちに、少しずつ大切な何かに気付いていくハルユキの姿は、とても眩しく輝いて見えます。
間違いなく君が主人公だよ。僕はそう思う。


ラストに待ち受けていた最高潮の盛り上がりを乗り越え、そして次巻へ。
ここで続くのか! うわあめちゃくちゃ気になる!
7巻が出るのを首を長くして待ちたいと思います。楽しみ。


HIMAさんのイラストは今回も最高でした。
特にカラーピンナップの王たちやメイデンには身震いしてしまいました。
そして表紙。サッちゃん、少し大胆すぎやしませんか……!