まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

這いよれ! ニャル子さん

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

  • ストーリー

深夜。家までの帰り道で、八坂真尋は謎の怪物に襲われる。
追い詰められた次の瞬間、怪物は消滅し、銀髪の美少女が笑顔で立っていた。
その美少女は自らを、クトゥルー神話の邪神・ニャルラトホテプであると名乗り……。


色々な人から評判を聞いてずっと気になっていた作品です。
クトゥルー神話を知らないと楽しめないのかと思っていましたが、全く問題ないみたいですね。


これでもかと言わんばかりのドタバタギャグと小ネタの多重攻撃に白旗。
ベッタベタのお約束展開かと思いきやそれを逆手に取ったネタを仕込んでいたりするので目が離せません。
とにかく何もかもがむちゃくちゃなんだけどそれがいい。
むちゃくちゃが許せてしまえる独特の空気感というか、雰囲気というか、そういうものがある作品だと思います。
まあヒロインからして「這い寄る混沌」ですもんね。混沌じゃあ仕方ないね。
もうどんな展開になっても笑って許せてしまいそうな勢いです。
あれ、もしかしてSAN値が下がってる?


ニャル子は実に面白いヒロインですね。
彼女が動き回るだけでストーリーがぐんぐん展開していきます。ギャグも増えます。ヒロインなのにヒーロー役までこなします。
主人公のはずの真尋はもう完全にツッコミ役に徹してしまっている感じですね。
その分多少ツッコミが大げさすぎる気もしますが、これはこれで一昔前のギャグ漫画を見ているようで楽しい。
なんてったって相手は邪神だもの、これくらいしたって構わないよね!
時々見せるニャル子の邪悪っぷりがまたたまりません。これは新しい萌えかもしれない。


他にもクトゥルー神話の神々をモチーフにしたキャラが続々と登場してきます。
神話を知らなくても、バラエティ豊かな邪神たちが出てくるだけで楽しいですね。
むしろ読み終わったあとにそれぞれのキャラについて調べてみると面白いかもしれません。
ニャルラトホテプWikipediaで調べたらどえらい画像が出てきて驚きました。これをヒロインにしようと思うのが凄いよ……。


敵とのバトルなどもありますが、最終的にはギャグに戻ってくるんだろうなという謎の安心感があるので、心から気楽に読むことができます。
次はどんなドタバタが見られるのか楽しみ。まったり読んでいこうと思います。