まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンタリアンの書架3

ダンタリアンの書架3 (角川スニーカー文庫)

ダンタリアンの書架3 (角川スニーカー文庫)

  • ストーリー

ダリアンは怒っていた。
王都で人気の流行小説三部作。その最終巻が刊行されぬまま、作者レニー・レンツは半年前に死んでいたのだ。
だが、そのレンツからヒューイへ手紙が届く。ダリアンは手紙の住所へ向かった、続きを書かせるために……。


今回は今までの巻よりも読みやすかったように思います。
残酷な描写もそれほど多くありませんでした。わりと気軽に読めましたね。
書き下ろしは第一話。毎回第五話が書き下ろしの番外編なのだろうという予想は見事に外れました(笑)
まあ今回は第五話で(本編だけれど)壊れた読姫フランが登場しますから、その分書き下ろしではダリアン単体のエピソードを持ってきたのかなと。


第三話「黄昏の書」が一番好みですね。3巻の中でも異彩を放っている話だと思います。
ヒューイ達ではなく、ゲストキャラであるアイラを軸にして話が進むところが独特です。
とある村を怪物が襲うのですが、読み進めるうちにどこか不自然な点が見えてきます。
これはもしかして…と思った頃に見事なオチがつくわけです。
うまいことしてやられた。楽しく読めました。


上にも少し書きましたが、第五話でようやく黒の読姫ダリアンと壊れた読姫フランが邂逅を果たします。
読姫ふたりの性格の違いが見ていて面白い。意外にいいコンビになりそうなのですが……。
鍵守ヒューイと焚書官ハルのやりとりも楽しいですね。というかハルは不思慮に無茶をしすぎではなかろうか。
考えてみればヒューイの方が冷静すぎるような気もします。主人公っぽくないですよね。
空回る焚書官と手玉に取る鍵守。それを眺めながら毒を吐く読姫2人。これからの巻でも楽しませてくれそうな組み合わせですね。


毎回ピンナップのダリアンが可愛すぎて困る。
ああなんと無防備な寝顔……。