まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンタリアンの書架1

ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫)

ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫)

  • ストーリー

ヒューイは、生前蒐書狂であった祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書の全てを引き継いだ。
屋敷の地下室で、彼はひとりの少女・ダリアンと出会う。
彼女こそ、禁断の"幻書"を収める"ダンタリアンの書架"の管理人だった……。


結構前から目を付けていたのですが、アニメ化決定ということで読むなら今だと思い、読んでみました。


ザ・スニーカー」で連載されている連作短編ということで、構成はオムニバス形式になっています。
短い話が連なっていると気軽にすいすい読み進められますね。適当なところでやめられるのもいい。


内容は予想以上にブラックでした。少し前なら読むのを諦めていたかもしれません。
第一話のラストからいきなりあの展開とは。正直言って耐えられるギリギリの線でしたね。
謎解きの部分やダリアンとヒューイの会話部分、常にどこか切なさが漂うメインストーリーの部分などはわりと好みです。
第三話など、色々と考えさせられることの多いストーリーだったかなと。
小説からメッセージを読み取ろうとするのはあまり好きな考え方ではないのですけどね。(そのまま単純に楽しめばいいじゃない)


ダリアン可愛いよダリアン。
黒ずくめのドレスを着た慇懃無礼な毒舌少女。丁寧語なのに二人称が「おまえ」というのがいい。ツボです。
大人びているかと思えば子供っぽくて素直でない一面もあって、とても魅力的なヒロインだと思います。
まあ、ヒューイとの恋愛関係には発展しそうにありませんが(笑)


断章と第五話にそれぞれ別の読姫(?)が登場しました。
いきなり現れて大した説明もなく終わってしまったので謎のまま……。
うーん、どうもすっきりしません。
ザ・スニーカー」連載の話ではなく書き下ろしの部分だったとはいえ、もう少し説明が欲しかったかな。


イラストはGユウスケさん。シックでこの作品によく合った絵だと思います。特にカラーが素敵。