まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

空色パンデミック(2)

空色パンデミック2 (ファミ通文庫)

空色パンデミック2 (ファミ通文庫)

  • ストーリー

あの「劇場型」発作以来、景は確信を持てずにいた。
自分の結衣への好意も、彼女の空想の産物なのかもしれない、と。
そんなある日、景は突然クラスメイトの少女・今井に声をかけられるのだが……。


もやもやが収まらない。
1巻を遥かに超えるもやもや感。頭がぐるぐるします。


1巻がとんでもない引きで終わったわけですが、物語がそのまま2巻に直結しているとは。

【太陽は 口 から昇る】
【桜は 口口 に咲く】

ぞくり、としました。
景の見ている世界は現実の世界なのか。ということは、やはり現実が実際に改変されてしまったということなのか。
それともこれもまた、結衣の空想病で作られた世界なのか。そうだとすれば、どこまでが現実でどこからが空想の世界だったのか。
むしろ現実なんてはじめからなかったのではないか……。
そもそも現実って何だったっけ?
小説の中の出来事なのに、あたかも自分も物語の中の登場人物であるかのように、物語の中の現実を見失ってしまいます。
そりゃあ現空混在症にもなりますよね。読者でさえこれほど惑わされてしまうのですから。
デカルトの言葉がこれほど身に染みるなんて思ってもみなかったな……。


メインストーリー上では1巻以上に空想設定が全開で、とても楽しいです。
《教会》と《大罪》の全面戦争。飛び交う《聖法》と《罪法》。《主人公たり得る者》たちの戦い。
技の名前もどんどん出てきて飽きが来ません。読み方ごと覚えようかとも思いましたが諦めました(笑)
単純なファンタジー(?)として読んでみるのもありかもしれませんね。
たとえ、全て現実でない可能性があるとしても。


登場人物の間で仲違いが起こります。
結衣の子どもっぽい嫉妬もとても可愛らしいのですが、やっぱり今回のヒロインは青井でいいんじゃないかな…。
めちゃくちゃ可愛いですね青井。自分のことを男だと思っておきながらなぜあんなに可愛いのか。ずるい。
ツインテメイドのイラストにはやられました。小首をかしげた姿がまた…。


そしてエピローグ。またこんなことを!
だんだんホラーに思えてきました。「アムリタ」以来の怖さじゃないでしょうか。
とりあえず3巻が出るまでにまた読み直しておいた方が良さそうです。