まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『JK堕としの名を持つ男、柏木の王道』感想

JK堕としの名を持つ男、柏木の王道【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)

ストーリー
最強の会社員、爆誕。闇堕ちしたJKたちを社会人パワーで蹂躙&救済! モテまくる!? 有栖川グループ社員の柏木啓介はある日、社長の思いつきで備品として聖ルルド学園へ送り込まれる。そこでは資産家令嬢のJKたちが『借金返済ゲーム』と称し、殺し合いをさせられていた。大人として見過ごせず、柏木は備品枠でゲームに介入。生徒会の久遠寺玲花を倒し、泣かし、救済する。「サービス残業だ。お前たちは俺が救う。あとは任せろ」「こんな大人、初めて……っ。オジサマ、素敵!あたしを抱いて!」絶望したJKたちを救うため、柏木の快進撃が始まった。会社員と女子高生の新たな王道、ここに開幕!

資産家の子息たちが金と命を賭けて競い合う学園を舞台に、社畜という名のスーパーマン主人公が無双しつつJKを堕としていく学園アクション!
面白かったです。セガールよろしくの活躍ぶりを見せる主人公の、どこかズレた格好良さがとてもいいですね。社畜への幻想がすごい(笑)。
タイトルから予想していた直球エロは意外と抑えめだったけれども、いつそっちの方向に行ってもおかしくない雰囲気があってドキドキしました。期待しちゃうだろー!


没落寸前の資産家の子息たちが、自らの命と引き換えに金を奪い合うという地獄のゲームに興じている聖ルルド学園。世界有数の財閥令嬢・姫乃の「差し入れ品」としてそんな学園に潜入したのは、JK堕としの二つ名を持つ最強の社畜・柏木だった……。
弾丸は避ける。切っても突かれても死なず、爆発に巻き込まれても炎の中から蘇る。不死身の肉体と無敵のパワー、明晰な頭脳までも持つ28歳。邪悪なるルルド学園上層部の闇を暴くべくヘリから降り立った彼は神かヒーローか……いや、「社畜」だぁぁぁぁ!
とりあえずそんな感じで、ただひたすら社畜・柏木の無双を楽しむストーリーとなっております。どこまでも人間離れした身体能力で周囲を唖然とさせていく最強ぶりが最高にクールでいい。彼によれば社畜にとっては普通のことらしいけれども、それは一介の会社員が放っていいパンチではないぞ柏木よ。社畜ってすげーや!(目をキラキラさせながら)


ヒロイン・姫乃は立場こそ財閥令嬢ではあるものの、柏木に比べればいたってノーマルな女の子。周りに非常識な人間が多すぎてツッコミが大変そう……(もちろんボケの大半は柏木である)。か弱いようでいて芯をしっかりと持った魅力的なヒロインでした。
姫乃は普通の価値観を持ったJKだけれども、そんな彼女は、学園到着早々に襲ってきた少女・玲花や、ルルド学園を取り仕切る生徒会の刺客・ユーリヤなど、ルルドゲームに慣れた他の生徒たちからすると格好の獲物。
しかし主たる姫乃が一方的に嬲られるのを我らが柏木が許すはずもない! 降りかかる火の粉を払うのみならず敵だったJKのハートまで堕としてしまう鬼畜な社畜、それがJK堕としなのである!
ということでエロ方面にもかなり期待して良さそうな雰囲気なんですが、まだそこまで直接的な描写はなくて「待て」を食らった気分。JKに興味がないとのたまう柏木を肉食ヒロインたちがどう攻略していくのか、そういう見方でも楽しめそうですね。続刊が楽しみです。


イラストはkakaoさん。どエロいイラストの数々、最高でした……!
柏木の社畜パンチ(格好良い)も良かったです。


あとがきのクッキー挿入ゲームってなんじゃー! 気になっちゃうだろ!

『<Infinite Dendrogram> -インフィニット・デンドログラム- 7.奇跡の盾』感想

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 7.奇跡の盾 (HJ文庫)

ストーリー
リューイを送り届けたトルネ村で、風星祭が始まる。しかしその時、過去に封じられたと言われる怪物・コクテン様の封印が解ける。その正体とは、古代伝説級のUBM【黒天空亡モノクローム】だった。そのモンスターに対抗しようとしたレイやビースリーだったが、混乱に乗じたPKもレイたちに襲いかかる。ティアンの村人たちの安否は、そしてかつて村を救った英雄であるリューイの義父の行方は――。「『来るがいいモンスター。奇跡の盾は、ここに在る』」

第三形態が発現したネメシスとともに伝説のUBMと死闘を繰り広げる、シリーズ第7弾。
剣、斧槍ときて、次の形態は盾! 超高度・超遠距離から地上を狙い撃ってくるかつてないタイプの強敵を前に、新たな力を全力で振り絞って立ち向かう「不屈」の姿が相変わらず熱い。
ビースリーの本気の姿も見られてホクホクでした。いい先輩キャラですわ。


ティアンの村の伝説にも残るUBM・モノクローム。空を飛んでも届かず、地上からの遠距離攻撃は撃ち落とされ、向こうのビームだけが地上を焼き尽くす。
マスターたちの戦力も限られる中、希望はネメシスに新たに発現した第三形態のみ! ビースリー先輩にモロ影響されたかのような巨大盾となったネメシスを手に、空の向こうのモンスターを撃破できるのか……一発まともに食らえばアウト、新しい力のお試しとしては少々ハードすぎる決死の戦いぶりに今回も燃えました。
しかし、ネメシスの特性上仕方ないとはいえ、ほんと毎回ボロボロになるよねレイ君……。ワンパンもらってからが本番って、今更だけど主人公としてはめちゃくちゃピーキーな戦い方ですわ。
それから、混乱に乗じて襲ってきたPKクランにはビースリー先輩が本気モードで対峙。素の姿とのギャップがまたいいですね。魅力的な女性は裏の顔を持っているものよ。今回さりげなくも重要な働きを見せてくれた月夜様ともども、今後もぜひ活躍してもらいたいキャラクターです。


……と、300ページ弱でテンポよく本編が終わったと思ったらまたも100ページ程度の外伝が。いやまあ、外伝のエピソードが本編のために必要という理屈は分かるけれども、やっぱり物語の勢いが削がれちゃう気がするよなあ。外伝は外伝で読みたいんじゃー!
今回はルークが主人公となり、クマニーサンの冤罪を晴らすためにとある殺人事件を調査するお話。ミステリーかと思ったら別にそうでもなかったですね。ルークの有能ぶり、クマニーサンの相変わらずの最強ぶり、あとは【犯罪王】の初登場が見どころですか。本編への登場にも期待です。


某秘書さんの言い方はさすがにミスリードが過ぎるような……。

『賢者タイムが終わらない。』感想

賢者タイムが終わらない。 (電撃文庫)

ストーリー
みんなは『賢者タイム』って知ってるかな? そうだね、一人でアレコレ楽しんだ後の、あの至福の一時だね。俺は性欲が無限に湧いてくるので、すぐに復活しちゃうけどね! ……って思ってたんですけど、禁忌としていたアレをオカズにしたら、賢者タイムが終わらなくなったんです! えっちな小説も全然書けなくなって、夢だった作家デビューもなくなりそうだし、一体どーすればいいんだぁああ! でも、性欲がなくなったら書く小説が爽やか青春小説になり、女子にも意識せずに話しかけられるようになって、まさかのモテ期が到来!? でも、こんな状態でモテてもしょうがねーんだよぉおお!

賢者タイムが終わらなくなってしまったエロ高校生がなぜかモテモテになっていく学園エロコメディ。
魅力的なヒロイン陣とのエロイベントが次々にやってくるのに全く反応できない主人公! なぜならずっと賢者タイムだから! というくだらなすぎるギャグの連続がくだらなすぎて笑える。
ダメすぎる主人公のことを一途に想う幼馴染ヒロインがとても可愛かったです。


エロの申し子にしてエロ小説家デビューも間近に控えた高校生・賢太。しかし自らに禁断と課していたものを「オカズ」にしてしまって以来、賢者タイムが終わらなくなってしまった!
以来、ラッキースケベイベントが起こっても反応せず優しく微笑むばかり、学校では哲学書片手に物思いに耽り、自宅では家庭菜園を始め、グリーンスムージーを手作りしてはSNSに上げる……そんな日々。賢者タイムってそういうもんだったっけ……?
元々エロにしか興味がなく、幼馴染の双葉を除けば女子とはロクに話もできなかったのに、賢者になった途端身だしなみは完璧、コミュ力も完璧、なぜか顔つきもイケメンに、学校中の女子から憧れられる理想の男に。もう一度言うけれども、賢者タイムってそういうもんだったっけ……!? こんな賢者ならば僕もなりたいわ。いややっぱり全然なりたくないわごめん。
ツッコミどころ満載すぎる謎の賢者タイム現象が楽しすぎて、なんだかんだであっという間に読み終わってしまってました。


メインヒロインの双葉は賢太が賢者になる前のどうしようもないダメ人間だった頃から彼のことを気にかけてくれている幼馴染の女の子。
明らかに賢太のことが好きで、でも全く賢太の方は気付いてなくて、いつもあと一歩が踏み出せない恋する乙女っぷりが実に可愛い! なんでこんな残念エロ魔人職業ド変態にこんな素敵可憐な幼馴染が宛てがわれたのか……神様って不公平だ……。
賢太が賢者タイムになっていきなり人が変わってしまい、周囲の女の子から一気にモテるようになって焦る彼女の姿にまたぐっときちゃいます。いいなあ幼馴染。
他、賢者になった賢太との「アオハル」を求める青春ガチ勢な図書委員や、エロ小説の書き方を教わりたいファザコン女子、エロ小説家の卵にして賢太のライバル(自称)のお嬢様など、なかなかにカオスなヒロイン陣。でもみんな美少女だからね。美少女ならどんなにアレでも許容できる。可愛いって偉大だ。
一押しはファザコン女子のうたちゃんですが……でもやっぱりヒロインとして賢太とゴールインしてほしいのは双葉。今回はドタバタのうちに、恋愛方面はうやむやになって終わってしまいましたが……。これはぜひ続刊が出てほしいですね! 次はさらにエロマシマシでお願いします!


イラストは牡丹もちとさん。カラーもいいんだけれどそれ以上にモノクロイラストの肉感的なエロスが素晴らしかったです……!
うたちゃん(全裸)の背中がたまらん。


賢太の小説は外伝で出そう(提案)。