まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『賢者タイムが終わらない。』感想

賢者タイムが終わらない。 (電撃文庫)

ストーリー
みんなは『賢者タイム』って知ってるかな? そうだね、一人でアレコレ楽しんだ後の、あの至福の一時だね。俺は性欲が無限に湧いてくるので、すぐに復活しちゃうけどね! ……って思ってたんですけど、禁忌としていたアレをオカズにしたら、賢者タイムが終わらなくなったんです! えっちな小説も全然書けなくなって、夢だった作家デビューもなくなりそうだし、一体どーすればいいんだぁああ! でも、性欲がなくなったら書く小説が爽やか青春小説になり、女子にも意識せずに話しかけられるようになって、まさかのモテ期が到来!? でも、こんな状態でモテてもしょうがねーんだよぉおお!

賢者タイムが終わらなくなってしまったエロ高校生がなぜかモテモテになっていく学園エロコメディ。
魅力的なヒロイン陣とのエロイベントが次々にやってくるのに全く反応できない主人公! なぜならずっと賢者タイムだから! というくだらなすぎるギャグの連続がくだらなすぎて笑える。
ダメすぎる主人公のことを一途に想う幼馴染ヒロインがとても可愛かったです。


エロの申し子にしてエロ小説家デビューも間近に控えた高校生・賢太。しかし自らに禁断と課していたものを「オカズ」にしてしまって以来、賢者タイムが終わらなくなってしまった!
以来、ラッキースケベイベントが起こっても反応せず優しく微笑むばかり、学校では哲学書片手に物思いに耽り、自宅では家庭菜園を始め、グリーンスムージーを手作りしてはSNSに上げる……そんな日々。賢者タイムってそういうもんだったっけ……?
元々エロにしか興味がなく、幼馴染の双葉を除けば女子とはロクに話もできなかったのに、賢者になった途端身だしなみは完璧、コミュ力も完璧、なぜか顔つきもイケメンに、学校中の女子から憧れられる理想の男に。もう一度言うけれども、賢者タイムってそういうもんだったっけ……!? こんな賢者ならば僕もなりたいわ。いややっぱり全然なりたくないわごめん。
ツッコミどころ満載すぎる謎の賢者タイム現象が楽しすぎて、なんだかんだであっという間に読み終わってしまってました。


メインヒロインの双葉は賢太が賢者になる前のどうしようもないダメ人間だった頃から彼のことを気にかけてくれている幼馴染の女の子。
明らかに賢太のことが好きで、でも全く賢太の方は気付いてなくて、いつもあと一歩が踏み出せない恋する乙女っぷりが実に可愛い! なんでこんな残念エロ魔人職業ド変態にこんな素敵可憐な幼馴染が宛てがわれたのか……神様って不公平だ……。
賢太が賢者タイムになっていきなり人が変わってしまい、周囲の女の子から一気にモテるようになって焦る彼女の姿にまたぐっときちゃいます。いいなあ幼馴染。
他、賢者になった賢太との「アオハル」を求める青春ガチ勢な図書委員や、エロ小説の書き方を教わりたいファザコン女子、エロ小説家の卵にして賢太のライバル(自称)のお嬢様など、なかなかにカオスなヒロイン陣。でもみんな美少女だからね。美少女ならどんなにアレでも許容できる。可愛いって偉大だ。
一押しはファザコン女子のうたちゃんですが……でもやっぱりヒロインとして賢太とゴールインしてほしいのは双葉。今回はドタバタのうちに、恋愛方面はうやむやになって終わってしまいましたが……。これはぜひ続刊が出てほしいですね! 次はさらにエロマシマシでお願いします!


イラストは牡丹もちとさん。カラーもいいんだけれどそれ以上にモノクロイラストの肉感的なエロスが素晴らしかったです……!
うたちゃん(全裸)の背中がたまらん。


賢太の小説は外伝で出そう(提案)。