まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

グランクレスト戦記 7 ふたつの道

ストーリー
ロッシーニ家の圧政からシスティナを解放したテオとシルーカ。
大陸中に英雄として知られることとなったテオは、大戦の集結に向け、前線へと舞い戻る。
条約軍の君主たちが次々とミルザーに倒されていく中、テオとシルーカはある策を実行に移す……。



テオとミルザー。アルトゥーク条約と大工房同盟を代表する両雄の正面衝突が描かれる、シリーズの大きなターニングポイントとなる1冊でした。
条約の君主たちと協力してミルザーを追い詰めていくテオとシルーカの華麗な働きっぷりが熱い!
また同時に、敵側であるミルザーと契約魔法師・テリウスにも、彼らなりのドラマがあっていいんですよねえ。


システィナ解放という偉業を達成したテオ。
しかしこの期に及んで、条約の君主たちときたら、テオのことを盟主だとは認めたがらない! まーだそんなこと言ってるのかこいつらは!
まったく呆れてしまいますけれども、そこでさらなる手柄を挙げて自らを認めさせていくテオとシルーカの姿に胸が震えますね。
また、彼の元にはこれまでの旅で出会ってきた多くの味方がいます。培ってきた信頼があります。
強大なミルザー率いるアルトゥークを、今度は逆に孤立させる計略……逃亡伯セルジュはまったくいい仕事をしてくれました。


計略によって戦況を万全に整えたテオたちは、いよいよミルザーとの決着へ。
どこまでもまっすぐなテオと、どこまでもねじれたミルザー。表と裏の主人公ともいえる対照的な両者の一騎打ち。燃えるではないですか。
もちろん心情的にはテオのことを応援するわけですけど、ミルザーの側にももちろん彼のことを信じ応援する人たちがいて、またそういった人たちのこともしっかりと描かれているので、戦いの裏の人間ドラマにも味わいを感じるのです。
さて、大きくストーリーが動きました。次回はアレクシスが活躍するとのことで(まさか!)、もう一方のマリーネに暴れっぷりにも期待しつつ、続きを待つことにしましょう。


ロリアイシェラのヒロイン力すごい。