まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか10

ストーリー
理知を備えるモンスター『異端児』との邂逅も束の間、ウィーネと引き離されることとなったベル。
懊悩の日々に埋もれるベルだったが、ウィーネにも魔の手が迫ろうとしていた。
暴悪な狩猟者達が引き鉄となり、事態は都市の全派閥を巻き込む動乱へと発展する……。



前巻から引き続き、『異端児』たちを巡る騒動を描いた前後編の後編。
ベ、ベル君かっこいい……。これまでもかっこいいと思っていたけれど、今回は際立ってかっこよかったです。
守ると決めた少女のために、都市を敵に回せるか。ベル君ってば、これこそヒーローだよ……。


人語を解するモンスター『異端児』たちにウィーネを預けたベルたち。
しかしそんなウィーネを待ち受けていたのは、心なき人間たちによる異端児たちへの襲撃……。
あまりに残虐なその仕打ちにはもちろん腸が煮えくり返りそうだけれど、ああ、だめだ、だめだよ、そっちに行ってしまっては!
遂に武器を取り、人間たちへの復讐を始めてしまった異端児たちの絶望的な行進からは、もはや破滅の未来しか見えないのでした……。


凶悪な【イケロス・ファミリア】との戦いの末、地上にまでやってきてしまった異端児たち、そして暴走状態に陥ったウィーネ。
異端児のことを知っているのは都市でもごく一部だけ……。【ロキ・ファミリア】をはじめとする、超上級冒険者たちが、こぞってモンスターを狩ろうとやってくる。
そんな中。自分よりも遥かに強い都市の冒険者たちに囲まれながら、守りたいものを守るために立ちふさがるルーキーがひとり。
ちょっとちょっと、ベル君、かっこ良すぎじゃないですか! このかっこ良さが、周りの冒険者たちには伝わらないのが悔しくてたまらないよ!
つくづく、後先のことを考えない猪突猛進っぷりだけれど、ベル君がこういう奴だからこそ、【ヘスティア・ファミリア】の今があるんですよね。いいなあ。英雄だなあ。
もうだめかと思われたラスト、善人なのか悪人なのか、ずっとよく分からなかった魔術師フェルズの、乾坤一擲の魔法にも燃えました。見た目は不気味でも、やたら人間味があっておいしいキャラクターでしたね。
大きな代償を支払うこととなったベル君。そして都市の秘密に深く関わることになった【ヘスティア・ファミリア】の皆。まさに怒涛のストーリー展開ですが、ここからベル君にどんな運命が待ち受けているのやら、もうもう、続きが気になって仕方ないのです!


シルさんがまったく可愛すぎて困る。元気が出るおまじないってなんじゃそれ……天使なのかよ……。