まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

壱級天災の極めて不本意な名推理2

壱級天災の極めて不本意な名推理2 (ファミ通文庫)

壱級天災の極めて不本意な名推理2 (ファミ通文庫)

ストーリー
助手のダルクや《伏見研》の妃凛、スイナと共に悪魔バアルの難問に立ち向かう自称名探偵・壱級天災。
そんな一同の前に、天災に面差しが似た謎の少女、ニケが現れる。
ニケと共に、洋館を舞台にしたバアル主催の名探偵ゲームへ参加する天災たちだったが……。



我らがヒロイン・天災ちゃんが名探偵らしく大活躍するスピンオフストーリー第2弾。
重護とのイチャイチャがない分、本編では見られない天災の色んな顔が見られて本当に楽しいです。
単純な謎解きではない回もいくつかあって、特に名探偵ゲームは本編に近いワクワク感があってよかったですね。


改めて思う、天災ちゃんは実に魅力的な主人公だと!
大抵の謎ならば推理の時間さえ取らずあっという間に謎を解明してしまう際立った才能。そしてそれを帳消しにする全力で空回りしちゃう残念な言動。
重護は変にひねくれているので素直に応援しづらい部分があるんだけれど、天災はどこまでもまっすぐで分かりやすくてキラキラしてて、好きなんだなあ……。
ダルクの他にはちゃんとした友達がいないとばかり思っていましたが、第6話などは、妃凛との間の信頼・友情を感じさせてくれるエピソードでした。才能のある者同士でひかれ合うのでしょうか。ほのかに漂う百合分もおいしかったです。


第7話の洋館を舞台にした名探偵ゲームは、謎解き要素こそないものの天災の活躍もあり、楽しいゲームでした。
しかし最後に嫌な気持ちにさせてくれたのが、新キャラの悪魔の娘・ニケ。
こいつがまあ小憎らしい! 曰く天災と張る才能を持っているようなのですが、その才能を見せつつとことん天災を否定にかかる意地の悪さ。ラスボス登場、というところでしょうか。
あとがきによれば次で最後ということですので、天災とニケの決着をどう描いてくれるのか期待ですね。


エピローグにちょっと出てきたと思ったらちょっといいこと言って天災ちゃんをキュンとさせてく重護がムカつくぞおおおお!