まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない!2

失敗禁止!  彼女のヒミツはもらさない! 2 (MF文庫J)

失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない! 2 (MF文庫J)

ストーリー
突如、クラスに転校生としてやってきた幼馴染・犬居亜希。
途轍もない嗅覚の持ち主である亜希は、匂いを辿って第二華道部のヒミツに迫ってくる。
亜希から聖たちのヒミツを守ろうと奮闘するショウだったが……。



「第二巻にして堂々フィナーレ!!」……えっ、嘘でしょ……!
色々な意味で期待の大きかった作品だけに、2巻で完結してしまうのは、もったいないなあと思います。
やっぱり突き抜けすぎた変態は受け入れられにくいものなのでしょうか。世の中なかなか世知辛いものであります。
そんな中で自分の欲望に真っ正直に向かい合った今作は、まさに我らの希望の光だった、はずなのですが。
さあ皆後に続け。何もかもさらけ出してこその変態ではないのか! なあ、そうだろ!


と、謎の声明を打ち立てたところで本題ですけれども、正直今回は、お話の内容も少々もったいなかったように思います。
もちろん、女の子の涙で潤んだ瞳や、真っ赤に染まった頬や、震える声などは、大変おいしくいただきました。ごちそうさまです。
ただ、新ヒロインとして登場した亜希。彼女が、まあなんというか、明らかに読者に嫌われることを前提としたヒロインという感じで、どうもよくない。
せっかく聖やかりんといった優秀なヒロインがいるのに、どうしてこんな子をメインにもってきてしまったのでしょう。亜希の理不尽な、逆切れとも言っていい言動の数々には、読んでいて何度もイライラさせられました。
もっと、聖やかりんやクリス、ついでにカエデといったキャラを掘り下げてほしかった。続くならともかく、これで最終巻だと思うと、ううん、やっぱり……もったいない。


聖は安定の可愛らしさでした。もう聖だけでいいやとつい思ってしまいますね。シスコン主人公に乗り移られでもしましたかね。
今回は、聖と亜希の因縁をどうやって打ち破るかというお話だったわけですが、いったいどんな壮絶な過去があったのかと思いながら読み進めて、蓋を開けてみればコレ。いやいいけど。亜希にとっては重大な事件だったのかもしれないけど。でもなんだろう、釈然としない……。
結局のところ、終始亜希という存在に振り回されてしまった感が否めませんでした。
ただ、ラストシーンだけはやはり素晴らしかったです。シチュエーションとしては1巻と大して変わらないのですが、やはりいいものです。水は全てを洗い流してくれるのです。消したい過去も、鬱屈した思いも、床にできてしまった染みもね(カッコいい眼差し)。
さて、今作はこれにて終幕となりましたが、次回作の予定はあるのでしょうか。ぜひまたぶっ飛んだ物語を生み出していただきたいものです。期待して待ってます。


1巻の表紙はまだカモフラージュになっていたけれど、今回の表紙はずいぶんとまっしぐらですね! マーヴェラス!