まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない!

失敗禁止!  彼女のヒミツはもらさない! (MF文庫J)

失敗禁止! 彼女のヒミツはもらさない! (MF文庫J)

ストーリー
聖流学園屈指の美少女が集まる謎の部活・第二華道部。
清水ショウはひょんなきっかけから、妹の聖から第二華道部への入部を勧められる。
訳の分らぬまま部員の待つ部室に向かったショウは、そこで彼女たちのヒミツを知る……。



第8回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作品。
新人賞の作品を買うかどうか、毎回本屋店頭にてうんうん唸りながら悩む私ですが、今回ばかりは、タイトルとあらすじとカラーイラストを見て即決してしまいました。
もうね、凄いんですよ。イラストが。美少女がみんな我慢してるんですよ。こう、何かを! 何かを!
そう、例えて言うなら思春期青少年から溢れるリビドー的な何かをですね。頬を赤らめて、目に涙をたたえ、上半身を震わせて、必死になって力みながら、こうね。もうこれは、興奮。興奮です。ひと目見て、興奮。ぞっくぞくしますね! そして我ながらサイテーですね!
私も最低ですが、これを書いた作者と、これを受賞させて出版したレーベルも最低だと思います(※大絶賛)。
萌えと羞恥心というのは切っても切り離せない関係にあります。その意味で、恥ずかしさ極まる行為を前面に押し出したこの作品は、萌えのトップランナーと言って過言ではないかもしれません。もちろん、それを思いついてもなかなか実行はできないもので、実行できる人は俗に変態と呼ばれています。
いやもうね、こういった、いかにも頭が悪そうで、読んでみたらほんとに頭が悪かったってタイプの作品は大好きなんです。
小難しいことを考える必要はありません。ただひたすら、「ばかだなあ」と笑い飛ばしながら、物語に浸ればいいのではないでしょうか。間違って別の何かに浸ってしまわないように注意しましょう。しかしこの感想、記事にしたらどこかにしょっ引かれそうですね。だんだん不安になってきました。


ヒロインは4人。聖、かりん、カエデ、そしてクリス。
主人公はドの付くシスコンですから、基本的には聖ひと筋なんですが、個人的にはかりんが可愛かったと思います。
いえ、聖も可愛いとは思いますが。なぜか表紙はクリスに取られていたものの、やっぱりイラストも多かったですし。特にお花畑のイラストが多かったのは特筆に値しますね!
かりんはいわゆる中二病なんですが、ツンになりきれずに、いつの間にかショウとの中二設定バトルを楽しんでしまっていたあたりに、天真爛漫さが出ていて素敵ですね。実際にいたらかなり面倒くさそうではありますけど、意外と素直なところもあるし。
まあ、単に私が後輩属性なだけかもしれません。丁寧語の罵倒ってどうしてこうもテンションが上がるんでしょうね……。
クリスさんはにこやかなお嬢様象の裏に隠れたSっぷりが眩しかったです。ファミレスでこの対決をさせるのは凄い。社会的に潰しにかかってる。
それでいて、本性はド変態ときたもんです。うん、なんとなく分かってた!
いやはや、つくづく個性派揃いの4人ですよね。そもそもあの癖がある時点で、相当の個性派かもしれませんが。


散々笑いつつ突っ込みを入れつつ読んで、ようやく慣れたかなというところで、オチがこれですよ。
目の前であれをお願いする土下座。こんなに格好悪くて潔い土下座が今までにあったでしょうか。そしてそこからの……。
まったく凄まじい。ひどいですね。実にひどいものを読んでしまった。ありがとう。君の勇気にありがとう。バ○リースにありがとう。
もうしばらくは冷静にバ○リースと華道部を見ることができそうにありません。どうしてくれるんですか。
そしてこの終わり方、善良なる市民の皆様には大変申し訳ないことに、続きが出てしまうようです。
次はどんなひどいシチュエーションでのあれが見られるのか、実に楽しみですね。


イラストはさよりさん。頬染めが最高でした。いいぞもっと染めろ。
今後もどこまでギリギリの線を攻めてくるのか大期待であります。


場面切り替えのマークにまで笑ってしまったのは、さすがに初めての経験かもしれません。