まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?』感想

ストーリー
「大きくなったら、私をお嫁さんにしてね、昴お兄ちゃん」昴は人類最強の歩兵としてかつて従軍していたが、いろいろあって今はふつうの男子高校生。ある日、四女・紅葉が魔力が枯渇して禁断症状――【欲情】が出た状態で昴のもとへ降ってきた。魔力の供給方法は、供給源の昴との肌と肌での肉体接触…というか、撫でたり揉んだり摘まんだりすることで…。あの日交わした妹との“約束”を果たすため、人類の敵と己の理性に力の限り立ち向かう! 限界ぎりぎりエロティックアクション! 第5回集英社ライトノベル新人賞《特別賞》受賞作!!

第5回集英社ライトノベル新人賞<特別賞>受賞作品。
人類の敵『界獣』との壮絶な戦いが繰り広げられる世界で、記憶を喪失した義妹(魔女)を守りながらの逃避行。
妹たちとは違って魔法を使えるわけでもないのに、さくっと「元人類最強の歩兵」とか言われてるハイスペックお兄ちゃんに笑った。そら妹もベタ惚れってもんですわ。
「DX文庫史上最大のエロス」とかいう煽りのわりにはエロ控えめで、むしろ結構なシリアス寄りだったような。もっとエロマシマシでもいいんですよ!


人間を食らう界獣と、それに対抗できる数少ない人類の「兵器」たる魔女。
かつて七人の義妹たちと『魔族』として共に戦い、戦場を退いた少年・昴は、生き別れとなった四番目の義妹・紅葉と再会。しかし彼女は軍から脱走してきており、しかも記憶を失っていた!
というわけでメインヒロインの紅葉ちゃん。義妹でありながら昴と結婚の約束を交わしている上に魔女で記憶喪失中という要素盛々最強ヒロインなんですが、ここまで来るとむしろ妹の要素いるか!? と思わず突っ込んでしまいます(笑)。まあ作者のペンネームからして、妹に並々ならぬこだわりがあるのは間違いないですね。
魔力が枯渇したら補給のためにお兄ちゃんと肌を合わせなければならない、というのも、ベタながら王道の設定です。粘膜接触が一番魔力効率がいいんだよね、わかるわかる。でも、せっかくのエロ設定のわりに、少々オマケ感が強かったかも。物語全体がわりと重めの内容ですから、そこんとこバランスが難しいのは理解しますけど。


軍の機関から追われる昴と紅葉。てっきり界獣との戦いがクライマックスなのだと思っていたけれど、今回のふたりの敵はむしろ人間でした。
いやー、この悪役は邪悪ですね! 腸煮えくり返りそうなほどに邪悪でした。いやマジでふざけんな……。
妹たちを害する者に対抗するのは、兄と妹の絆。そして愛。それは魔法の源。
紅葉だけではなく、他の妹たちの力も借りながら、長年彼女たちを虐げてきた悪へ反撃する。カタルシスがあってよかったです。
どうやら次巻もあるようですが、どんな展開になるのやら。まだ登場していない他の妹たちが気になるので、ぜひ出てきてもらいたいですね。あとエロシーンもね。


イラストは呉マサヒロさん。この表紙のブラウス、何がどうなったらこの形状になるのか(驚愕)。
よきおっぱいでした。


敬語ヒロインスキーなので、それだけが惜しい!