まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

白奈さん、おいしくいただいちゃいます2

白奈さん、おいしくいただいちゃいます2 (電撃文庫)

白奈さん、おいしくいただいちゃいます2 (電撃文庫)

ストーリー
料理事件部に新しく舞い込んだ依頼は、陸上部の一年生・空野美咲の不調子を治してくれというものだった。
駆けっこ勝負で美咲に勝利した白奈は、彼女から事情を聞き出すことに成功する。
彼女によれば、凄腕の占い師、通称《魔術師》に占われて以来スランプが続いているらしく……。



今回は「魔術師事件」と「時間跳躍者事件」の2本立て。
魔法にSFと、日常の中で出会ったちょっと奇妙な事件。推理もすることはするのだけれど、最終的には力技(料理)で解決しちゃうところが何とも言えぬシュールな面白さ。
ミステリーに見せかけた何か別のものではあるんですけど、この独特の空気感が結構好きです。


「魔術師事件」は占い師に謎の魔法(?)をかけられた陸上少女のお話。
とりあえず玄人さんお得意の“料理心理学”が万能すぎて笑えます。この心理学用語の数々が料理にどう関わってくるのか想像もつかない……。さすが料理の天才は考えることが違うなあ!
あと、未百合さんと知里さんはチョロすぎる。いや分かってましたけどね。このチョロさが可愛いんですけどね。
可愛いのはいいことですが、この子たちの将来が心配です。悪い大人に騙されないといいのだけれど。
そして、彼女たちの恋愛相談を傍で聞いておきながら何にも気付く気配のない玄人さんは、もう少し周囲をちゃんと見直すべき。
いくら他人の心理に詳しくても、自分に向けられている女の子の気持ちを知らないのなら、それにどんな意味があるというのでしょう! ハードボイルドなどくそ食らえなのですよ!


「時間跳躍者事件」はカレーを食べると意識だけが時間跳躍する(!)という少女のお話。
白奈さんの度量の広さがよく分かる回でした。玄人の考え方も、まあ普通のことなのかもしれませんけど、やっぱり冷たく見えてしまいます。言い方というものもあることですし。
理由なく他人を信じることができるってとても素敵なことではないでしょうか。変人変人と言われているけれども、実は誰よりも立派な人間なのではないかと思えますね。さすが部長といったところですか。
いやあ、タイトルに名前が入っているわりには、活躍の場を玄人に奪われているイメージがあったので、今回のようにいい所を見せてくれると安心できます。今後も料理事件部のトップに立つ者として頑張ってもらいたいものです。


高級ステーキも色とりどりのカレーも実に旨そうで唾液と胃液の分泌がぐんぐん促進されました。
未百合さんのグルメレポートが鬼畜すぎるんですよ。深夜に読んだのは間違いだった。お腹と背中がくっつくぞ。スパイシーなカレーが食べたいです。
次はどんな料理でどんな事件を解決するのでしょうか。腹の虫を鳴らしつつ、楽しみに待ちたいと思います。


いくらなんでもそのアドレスは直裁的すぎやしませんか未百合さん……。