まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『あまのじゃくな氷室さん3 好感度100%から始める毒舌女子の落としかた』感想

ストーリー
本当は大好きなのに、どうしても素直になれない涼葉だったが、波瑠との一件があったことで、勇気を出して愛斗を『恋来祭り』に誘った。だが愛斗は『恋来祭り』が行われる縁光神社の神様・ナンナに「絶縁したくなければ、涼葉と祭りに来るな」と言われてしまう。神様のパワーを恐れた愛斗は、なんとか上手く断る方法を探そうとするが……もちろんすぐにはいい案など出ず、夏休みは過ぎていく。涼葉と買い物や雅と勉強会をしたり、生徒会のみんな+雅たちで旅行したり……今までに無いほど充実した日々。そんなとき、なんと2人の前に愛斗の母親が現れ……!? MF文庫Jが贈る、捻れ系青春ラブコメ第3弾!

あまのじゃくすぎる毒舌ヒロインとの両思いすれ違いラブコメディ、怒涛の夏休み編。
合宿にアルバイトに母との邂逅などなど、夏休みだけあって氷室や砂城とのイベントが盛りだくさん。まあどれだけイベントをこなしても我らが氷室さんは相変わらずなんですけどね……。


関係を順調に進めている「気になっている」氷室と、そんな彼女の内心を知っている田島。
ふたりの中では少しずつ距離が縮まっているんだけれど、傍からは氷室が田島の惚れた弱みにつけこんで振り回しているようにしか見えないんだから、そりゃ話もこじれるわなという。
どうも氷室は自分が周囲からどう見られているのか分かっていない節があって、砂城との見解のズレが大変なことになっております。本音が見えていてもちょっと引いちゃうくらいなのに、表のセリフだけ聞いてたらそりゃそうなるわな……。
田島母からの敵意も致し方ないというか、まああの母は母で問題だらけなんだけれど、氷室の方にも落ち度があるので擁護のしようがありませんわ。田島と氷室のふたりだけで世界が完結していれば好き同士で何の問題もないんですけどねえ。


一方の砂城は着実にオタ島への想いを育てているようで。砂城の立場からすれば当然田島は氷室に振られるはずだし、万が一のことがある前に自分が! となるのも、まあ自然な流れでしょうな。
想いを自覚した影響からか、氷室とは対照的に、言動から田島への好意が透けて見えていてニヤニヤしちゃいます。ええわあ。恋する乙女やわあ。おい、田島母! お前は余計な口を出さんでいいんじゃ! しっしっ!
ただ、実際の田島&氷室は両思いなわけで。こんなにも可愛らしい砂城が、完全に蚊帳の外で独り相撲を打っている感じになってしまっていてすげー切ないです。どんどん彼女に感情移入してしまうよ……。
やつらが「恋約者」だとかわけの分からんことをやってるうちに、いっそ横からかっさらってしまえ! とも思うけれど、田島の反応がどうなるかな。ここまで来たら氷室も砂城も気持ちを隠さず、全力でバチバチやりあってもらいたいですね。


うおおおお相沢からジト目で「サイテー」って言われたい! できれば1日1回言ってほしい!!