まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

東京戦厄高校第72討伐班3

ストーリー
星降島の洗礼で見事災厄の討伐を果たしたチーム「トリニティ」は、災厄技術庁での訓練に励んでいた。
しかしある事件をきっかけに、月佳の父親によってチームの速攻が困難になってしまう。
一方で廻人は、憧れの目標、特別選抜シューターのクレオとついに出会うのだが……。



3巻目にして完結。バトルも恋愛も、本当はもっとじっくり決着がつくまで見たかったのですが、わりと綺麗な終わり方だったのではないかと思います。
ちぐはぐトリオだったトリニティも、いつの間にやらプロも驚くチームワークを見せてくれるまでに成長しました。
恋愛方面でも綺麗な三角関係が成立。月佳とアリスの、決してドロドロではない恋のライバル関係が清々しくてよかったです。


前回の活躍が評価されて、災厄技術庁で訓練する機会を得たトリニティの3人。でもそこで知ったのは、自分たちの力量がまだまだ不足していることでした。
まあ元々が、1人じゃ全く戦えないけれど3人揃えば格段に強くなるという、ピーキーすぎるチームですからね。廻人だけでは力不足でも、月佳とアリスが揃えばトップチームにも負けないというのが、彼らの最大の長所であり、熱いところです。
ところがそんな名チームにも存続の危機が! 月佳の家との問題はずっと彼女について回っていましたが、ここにきて遂に顕在化してしまった形です。
大きな権力を持った父から高校を退学にすると告げられて、しかし月佳が取った行動は、予想以上に格好良いものでした。月佳にとってのトリニティが、こんなにも大切なものになっていたんだなと思うと、少しジンとしちゃいます。
月佳のためにひとりで無茶をやらかしちゃう考えなしな廻人も、まあ悪くはないけれど、結果的に完全に月佳に持っていかれちゃった感!


チームとしての結束がより固くなった一方で、月佳とアリスのふたりは、違う方面でも絆を深めあっていました。
正直、このふたりから好ましく想われるような魅力が廻人にあるのかどうか、大いに疑問ではあるのだけれど……。とりあえず、互いの気持ちを知ったからといって、変にギスギスしなくてよかったです。
ラストバトルは、黄金獅子のメンバーとも共闘しつつ、トリニティの良さを最大限にまで研ぎすませたような戦いぶりでした。
アンバランスだからこそ、ふとした拍子にとんでもない力が生み出せる。この3人で果たしてどこまで行けるのか、現状ではまだ判断しかねますが、彼らならきっと高みへ上りつめてくれると信じたいですね。
恋愛面は……とりあえず、廻人が鈍感を直すところからかな……(笑)。


陽那お姉ちゃんバイオレンス!