まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

お兄ちゃんは家に帰りたい。 〜そうだ、帰宅武をつくろう〜

ストーリー
“レイヴ”と呼ばれる異能力を発現してしまったことで、国の管理下に置かれ学園都市に連れて来られた少年・灰空朱雀。
入学した東武校では、“武活道”に参加して己の力を磨き上げることが義務とされていた。
しかし朱雀は、家で待つ最愛の妹のため、武活への参加を頑なに拒否し続け……。



武を高めるために存在する異能力者たちの学校で、家に早く帰りたいがために周囲と戦ってでも帰り抜く、熱い帰宅「武」員たちのバトルコメディ。
いやあ、衝撃的な主人公でした! 妹への溺愛っぷりがクレイジーすぎて、ちょっと共感からはほど遠いのですが……。
でも、自分の守りたいものや、譲れないもののために、大きな敵と戦う姿はちょっとだけ格好良く、なくはなかった、かもしれません。


ドの付くシスコン主人公・朱雀。誰もが「武活道」に入らなければならないという学園のルールの中、妹に早く会ってイチャイチャするためだけに、頑なにそれを拒み続ける意志の強さときたら……。とまあ、これだけ見れば一本筋の通った主人公像に見えるかもしれませんが、しかし残念なことに、妹への愛し方がとにかく気持ち悪い!
妹・水琴は確かによくできた愛らしい女の子なのですが、それにしてもこの愛の重さ。周囲からドン引きされていることにも気付かずに妹愛を叫び続ける姿からは、もはや哀愁さえ漂ってきます。
一方、妹キャラっぽいロリっ子の兎乃が出てきた途端にぺろぺろし始めたりしちゃったりなんかして、妹好きというか、ただのロリコンなんじゃないか説も……。


さて、そんな彼と一緒に「帰宅武」を作ろうなんていうわけですから、当然他のメンバーもなかなか濃いキャラクターが揃っていました。
一応ヒロイン的立ち位置なのが、常時毒舌アニメ好き美少女の陽子。朱雀とは、お互いにボケとツッコミが入れ替わりつつの漫才を何度も見せてくれます。毒舌ヒロインは大好きなので、個人的には彼女がイチオシですね。
それから、いつも空腹な爆乳女子・姫、裏の顔を持ったお嬢様・御世。そして「寝る子は育つ」なロリっ子・兎乃。
それぞれ早く家に帰りたい理由があって、そのために武活を立ち上げて、他の武活道の連中から狙われて。
どんな障害があっても、家に帰って好きに過ごすために全力を尽くす! それは帰宅武という、一番楽に見える武活なのかもしれませんが、その日々を掴みとるための彼らの情熱は間違いなく本物なのだと、繰り返される戦いの中で感じました。まあ、大概のバトルは敵も含めてアホなギャグ展開で終わるんですけどね(笑)。
ちょっとばかし、ネットで見たようなギャグのネタが多すぎたのが気になるといえば気になるんですが、まあそんなものも色々盛り込んで、ワイワイ楽しい作品だったと思います。
今後は、残りの《七つ神》や生徒会執行武との戦いが繰り広げられていく……のでしょうか。朱雀だけではなく、他の武員たちの活躍ももっとたくさん見たいですね。


イラストはのすくさん。アニメ調のぺったりした絵柄が可愛らしくていいですね。
陽子の口元のほくろがエロい。つい目が行っちゃう。


しかし確かにお兎乃ちゃんはすりすりしたい。ぺろぺろもしたい。