まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ざるそば(かわいい)

ざるそば(かわいい) (MF文庫J)

ざるそば(かわいい) (MF文庫J)

ストーリー
ざるそばの出前を注文した笹岡光太郎のもとに届いた、自称麺類寄りの魔法少女・姫ノ宮ざるそば(かわいい)。
光太郎が呆然としていると、いきなりざるそば(かわいい)は麺類スポンサーの契約を解除されてしまう。
ざるそば(かわいい)の超人類的かわいさに正気を奪われた光太郎は彼女のスポンサー探しに身を投じることになるが……。



第11回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作品。魔法少女で麺類なヒロインがかわいすぎるので、彼女のために世界の麺類的陰謀と戦う人類×麺類ラブコメディ。
凄まじい一発ネタ感! 何もかも麺類にすりゃいいってもんじゃねーぞ! というツッコミが追いつかないくらいに適当設定が溢れかえっている……。
でもざるそば(かわいい)がかわいいので、なんか全て許したくなっちゃう。それくらいかわいいヒロインの勝利だ。


ある夏の日、出前のざるそばを注文した主人公・光太郎のもとにやってきた、魔法少女で麺類なヒロイン・ざるそば(かわいい)。
魔法少女で麺類ってどういうことだよと、唐突すぎるトンデモ設定に驚く間もなく、ざるそば(かわいい)がざるそば(動詞)を披露するわ、MIB(麺inブラック)が攻めてきてざるそば(かわいい)の体を「ロンギヌスの槍」(フォーク)で食べようとするわ、「麺類補完戦争」(ソバルゲドン)が発生しそうになるわ、もうどうしたらいいの! 助けて! 正気を取り戻して!
しかし、世界設定がどれだけ麺類に侵食されていようと、ざるそば(かわいい)はかわいい。それだけは間違いなくって、かわいい女の子(儚げな黒髪ロング、巨乳)が涙目で困っていたら、助けてあげたくなるのが世の常ってもので、だから、光太郎がざるそばのために頑張ろうとするのは、もはや自然の摂理というものなのです……。


ざるそば(かわいい)が魔法少女でいるために、スポンサー探しに奔走する光太郎。
なぜか幼なじみが戦闘員をやってた悪の組織の指令で、海水浴場でざるそばを売ってみたり、甲子園で世にも恐ろしい極悪非道な悪に手を染めてみたり。
そんな中、ざるそば(かわいい)がかわいくて仕方のない光太郎と、光太郎に食べてほしい(字義通り)ざるそば(かわいい)の間には確実に愛が育っていました。
でもふたりは人類と麺類……光太郎的にはいっそどうでもいいことなのだけれど(なぜならざるそばがかわいくてえろいから)、ざるそば(かわいい)的にはそうじゃなくって……。
恋しあっているのになかなか上手くいかないふたりが導いた、人類と麺類の種族(?)を超えた愛の結末に、不覚ながら少しじんときてしまいました。
とまあ、完全に出落ちかつ一発ネタな設定およびストーリーだったものの、ざるそば(かわいい)はもちろん、ライバルの魔法少女・ルナも魅力的だったし、なんだかんだで続きが気になってしまったので、ぜひ続刊を!


イラストは憂姫はぐれさん。ざるそば(えろい)。
具体的にはざるそば(かわいい)のざるそば(大盛り)がざるそば(えろい)。


しばらくはざるそばをニュートラルな気持ちで食べられない気がする……。