まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

緋弾のアリアⅩⅤ 竫と銀氷

ストーリー
孫悟空の如意棒をアリアと攻略した直後、『魔女連隊』カツェの奇襲を受けたキンジ。
香港を火の海にするべく放たれた石油タンカー上にアリアと乗り移り、カツェたちとギリギリの戦いを演じる。
なんとかカツェたちを避けたキンジだが、タンカーに備えられた爆弾のタイムリミットが近づいていて……。



待ちに待った第15弾は香港→日本→パリと次々に場面が変わるワールドワイドな1冊に。
タンカーテロへの対応にページを割いてくるんだろうと思っていたのに、1章でさらりと解決してしまったのは、さすがの展開の早さといえますね。
スピーディーに目まぐるしく移り変わるストーリーは今作の魅力のひとつですが、久しぶりにアリアとのイチャイチャを期待していた身としては、ちょっと微妙な心境でもありました。だって、タンカーにふたりだけで乗り込んだんだから、香港でのもやもやをここで晴らしてくれると思うじゃないですか……!
まあ、アリアとの背中合わせは良かったですけど。その後ほとんどアリアの出番がないのはなんというか……。やっぱりキンジの隣はアリアがいちばん似合ってると思うんです。
あと1章から早速キンジさんの超人ぶりが発揮されたのも豪勢な仕様でした。なんかもう、どうやったらこの人を倒せるのか本気で分からなくなってきたな……。


ちょっとしたことからバスカービルを抜けることになった(!)キンジが入った新しいチーム・コンステラシオン。
優秀かつバランスのいい戦力を持つバスカービルとは違って、こちらはだいぶ残念な感じのチームでした。各々有能は有能なんですけれども。島苺ちゃんかわいい。
チームリーダーはジャンヌということで、ここから怒涛のジャンヌのターンに入ります。
今までのジャンヌはキンジ争奪戦からは一歩引いていて、あくまで仲間のひとりという立ち位置に収まっていたと思うのですが、ここにきていきなりの大攻勢。しかも他のヒロインが邪魔に入れない自分の母国で! なんて計算高い子なの!
今回のジャンヌはどうも、全体的に内面の不安定さが浮き彫りになっていて、見ていてとても危うかったです。こんなに弱々しい子ではなかったような気がするんですけど、差し迫った状況が人を変えたということでしょうか。


終盤に入り、今度はカツェのターン。キンちゃんったらどうしてこうも女をとっかえひっかえ……!
キンちゃんの女癖の悪さはともかく、敵幹部をこうも見事に落としてしまう手腕はさすがです。ヒステリアモードの力なのか、はたまたキンジさんの実力なのか。
カツェは初めて出てきたときからあんまり好きになれなかったんですが、いったんヒロインと化すと可愛く見えてしまうからずるいというか、もしくは私がチョロいというか。多分にイラストの効果もあるとは思うんですけど。おかっぱぱっつん大好きです。


エピローグにしていつもの次回予告では、遂に作品の壁を越えてあのキャラが登場しました。
こういうクロスオーバーは正直あんまり好きではないんですが、出てきたもんは仕方ないので、キンジさんにはぜひとも頑張ってもらいたいところです。作中最強はキンジさんでなければならないと思っているので、万が一にも負けるようなことは(相手が向こうの主人公であっても)許されないのです。
次こそはアリアと、それから理子りんにもっともっと出番が回ってくることを祈りつつ。次巻も楽しみです。


いい加減キャラクターが覚えられなくなってきた。