まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月

ストーリー
魔王連盟ウロボロスと対抗することになった“ノーネーム”。
黒ウサギのウサ耳がなくなるという緊急事態のなか、十六夜VS殿下のギフトゲームが始まる。
一千体を超える巨人族の攻撃に、煌焔の都は大混乱に陥るが……。



全編通してバトルバトルバトルの熱い巻でした。
いやあ、周囲であまりに絶賛されすぎているからどうしても評価の目が厳しくなってしまうのだけれど、やっぱり面白いもんは面白いですね。特にここのところはギフトゲームがバトル重視になってきているので個人的にたいへんおいしい。相変わらずちらほらとおかしな文章が散見されるのは気になりますが。


過去最強の敵との一大決戦。これでテンションが上がらないはずがありません。
なんてったって相手側のリーダーたる殿下は、あの十六夜さんとガチの殴り合いができる強者。今までも何度かピンチはありつつ、「十六夜さんがいれば大丈夫」なんて思いがどこかにあったけれど、今回ばかりはそうも言っていられない。
十六夜と殿下の戦いは、なんの工夫もない正面からのぶつかり合いでしたが、ふたりともどこか楽しそうだったのが良かったですね。
殿下の部下たちは正直あんまり好きになれないのですが、殿下本人にはどこか十六夜と似た雰囲気を感じるせいか、わりと好きな方のキャラになってきたような気がします。


十六夜が殿下にかかりきりになっているのと、黒ウサギが力を失ってしまったぶん、飛鳥や耀、ジンにペストといったメンバーも、各所で敵の幹部たちと戦闘を繰り広げることに。
飛鳥にはジャック、耀にはウィラと、他コミュニティの有力者と協力しながらのバトルとなっていて、とても熱いです。
飛鳥は前巻で得たギフトのおかげで一気に戦力強化できたようで、飛鳥応援団所属の私としては大歓喜。特に使役する神獣アルマテイアの働きぶりが凄い。飛鳥とアルマテイアはやりとりも良かったですね。戦いの中で、ディーンとの間にあるものとはまた違う信頼関係が築かれてきたと思います。
耀&ウィラvs変態ストーカーのバトルは、ウィラの大火力と耀の新能力がよく噛み合っていて、いいコンビネーションが見られました。
しかしここに限っては、バトルなんてどうでもよくなってくるくらいにウィラが可愛くて困りましたね。ストーカーを怖がって耀に泣きつくウィラがもうちょっとどうしちゃったのってくらいに可愛いです。イラストも罪ですよ。表紙の時点でやられたと思ったのに、その泣き顔はずるいだろ!


ああもう! またこういう続き方する! そうだよね。全部解決するにはページ数が足りなそうだと思ったんだよね。うん分かってた。
繰り返されるパワーインフレがいよいよ十六夜に追いつきました。いや、もう追い越してしまったのかもしれません。打倒魔王を掲げるノーネームにとっては、ここからが本当の戦いになっていくことでしょう。ますます白熱していくだろうストーリーに期待です。
しかし振り返ってみると、十六夜と黒ウサギ回なんて予告されていたわりには黒ウサギ分が少なかったような気がしますね。いや、耳がない黒ウサギはそれはそれで愛らしかったんですけれども。次巻では彼女のターンもやってくるのでしょうか。楽しみにしておきます。


中合わせの飛鳥とペスト格好良すぎ。