まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ロウきゅーぶ!(9)

ロウきゅーぶ!〈9〉 (電撃文庫)

ロウきゅーぶ!〈9〉 (電撃文庫)

ストーリー
慧心女バスの修学旅行と時を同じくして、葵と二人きりで京都へ行くことになった昴。
少女たち五人とも一緒に京都をまわる約束をして、意気揚々と京都行きの新幹線へ乗り込むのだった。
ところが、宿泊予定のホテルでは、葵と同室になったり智花たちとバッタリ遭遇したりとハプニング続きで……。



前巻の引きから予想はしていましたが、序盤から怒涛の葵攻勢でした。
1ページ目を開いて案の定葵がいたので、ちょっとしばらく読む気が失せ……ごほんごほん。
いや、そこまで嫌いなわけではないんですよ。一生懸命なところは好感が持てるし、可愛い部分もなきにしもあらずだし。
ただ、智花こそがメインヒロインだと信じている私からすると、その座を脅かしかねない存在であるだけに、ついつい邪魔者扱いしてしまいがちなんですよね。
結局のところ、智花が愛らしすぎるのが問題なのです。つまりはそういうことです。


とはいえ、珍しく小学生がいない、葵とふたりだけの状況が続くということで、智花たちといるときとはまた違うニヤニヤ場面があったのも事実。
小学生ならまだ年の差があるから、想いに気付かないというのも理解できるけれど、葵が相手だと、昴の鈍感っぷりが改めて浮き彫りになりますね。
高校生同士の泊まりがけの旅行に誘って、OKが出る時点で何かに気付いてもいいんじゃないでしょうか。いくら幼馴染でも。
安定のサービスシーンもありました。葵はお色気要員としての役割を持っているような気がしますね。どうしても小学生では色々と問題が出てしまいそうな場面やイラストをまかせられますからねえ。
一方小学生たちとは、いつもながらドタバタで楽しいやりとりを見せてくれました。
とりあえず、例のパンツについて真顔で相談を交わす昴と竹中は、そろそろ本格的にどうにかしなければ。
特にブツを手放すときの昴のモノローグ。これはひどい。口に出したら通報されるレベル。まあ気持ちは分からんでも……ごほんごほん。
宇治での源氏物語なりきりドラマ撮影は、それぞれの役が妙にしっくりきていて笑いました。動画館のスタッフがキャストを振り分けたのかな。いい仕事という他ない。
こういうところで光り輝くのはやっぱり智花さんですね! 見よ、この圧倒的なヒロインオーラ。
テーブルをばしばし叩きながら読みました。悶絶ものです。正直たまりません。


そんな旅行の描写はどれも楽しかったのですが、誘拐うんぬんは、ちょっと不自然だったかなあ。
まあこんなことだろうとは思っていましたけど。違和感バリバリだったし。
あと、バスケの入れ方はかなり無理やりでしたね! 旅行中なんだし、別にそこまでして入れてこなくても。試合自体は読んでいて楽しかったですけれど。
ともあれ、真帆の気持ちの微妙な変化や、智花の決意の一新など、得られたものは大きかったので、これはこれで。


終わり方を見るに、次巻はバスケ回のようですね。順調に成長を遂げつつあるチームが、今度はどんな試合を見せてくれるのか、今から楽しみです。
ここにきて一層怪しくなってきたほのかな恋にも注目。次に来るのは誰でしょうか。


ひとつのパンツが次のパンツを呼ぶ、と。わざとやってんじゃないだろうなこいつら。