問題児たちが異世界から来るそうですよ？ そう……巨龍召喚

問題児たちが異世界から来るそうですよ？ そう……巨龍召喚 (角川スニーカー文庫)

ストーリー
幻獣が多く住むという南の“龍角を持つ鷲獅子”連盟から届いた収穫祭への誘い。
問題児たち3人は南へ何日行けるかの権利をかけ、収穫祭までのゲームで争うことに。
順調に戦果を上げる飛鳥と耀だったが、意外にも十六夜の成績は低迷してしまっていて……。


限界突破バトルアクション第3弾。前巻に比べて格段に読みやすかったです。
ギフトゲームがあまりなかったせいでしょうか。今まではバトルを楽しみながらも、説明不足に感じる部分が多くて、半分くらいわけがわからない状態で読み進めてきたのですが、今回はそのようなこともなくてすいすい読めました。
まあ、ギフトゲームがないということはそれだけ盛り上がりが少ないということですから、どちらが良いとは一概に言えないのですけれども。


表紙は我らが愛すべき無表情ヒロイン、耀。やっとこの子のターンが見られるのかと楽しみにしていたのですが、あれ、そんなでもない？
バトルにはそれなりに参加していたけれど、耀が自慢のギフトを使って敵を蹴散らす！　みたいな流れは、また次に持ち越しのようですね。
その分、耀に関しては、内面的なところが多めに描かれました。
圧倒的な存在である十六夜への複雑な感情。飛鳥の力を借りてでも、どうしても勝ちたくて、でも勝てない悔しさ。
負けず嫌いな女の子は好きです。悔しさをばねにして、思いっきり羽ばたいてもらいたいものですね。
あと、さりげなく垣間見える飛鳥の面倒見の良さに、素敵なお姉様っぷりが出ていて良かったです。
飛鳥と耀のコンビはまるで本当の姉妹のように微笑ましくて、見ているだけで和やかな気持ちになってきます。


大暴れするのはひと休みして、自分の過去について語る十六夜。
箱庭世界でのあれこれに比べればやっぱりわくわくが少ないので、正直どうでもいいなあと思いながら読んでいたんですけど、予想外に重要そうなキャラが登場してきました。
黒ウサギをはじめ、“ノーネーム”にとっても因縁の深い人物であるみたいだし、十六夜を箱庭に送り込んだ彼女の真意が気になるところです。
それにしてもほんとに好きですね、第三宇宙速度。1巻の初めに出てきたときは大変なインパクトでしたが、こう何度も使われるとなあ。
十六夜自身の無茶苦茶な強さもそうですが、だんだん飽きが来はじめてしまっていて、ううん。


グリーや“ウィル・オ・ウィスプ”のふたり、そしてまさかのあの魔王までが登場して、賑やかで楽しかったです。かつて戦ったキャラたちと力を合わせる熱い展開、大好きですよ！
思いっきり次巻に続く終わり方だったので、次がとても待ち遠しい。今度こそ耀の活躍を期待してもいいですよね。


黒ウサギはなぜこれほどまでにいじめ甲斐があるのか。可愛い。