まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(4)

ストーリー
会長の爆弾発言には焦ったものの、秋人の日常は特に変わることもなく続いていく。
生徒会の仕事をこなし、寮長として働き、小説を書いて家計を支え、という多忙ながらも充実した日々。
ところがある日、秋人は過労がたたって風邪で寝込んでしまい……。



まず目次を見て驚く。作中時間で1ヶ月が経過するだと……そんなばかな!
てっきり2日3日、良くて1週間程度ずつしか進まない牛歩の呪いがかかっているものとばかり。
これなら今までほとんど語られなかった学園生活についても何かあるだろう、とわくわくしながら読みました。が、結局生徒会メンバーと駄弁っていただけでした。あれれー?


アナスタシアに銀兵衛に会長にと、秋人への攻勢は相変わらず。
それぞれ単体で話しかけてくるときは、魅力的なところも、まあ、なくはないのに、3人揃うとどうしてこんなに辛辣なんだろう。それで本当に秋人を落とす気なの。
秋人はMよりかはS気味の印象があるので、彼女たちのやり方はどうも空回りしているように思えます。
とはいえ、秋人にいじられる立ち位置には秋子という最強キャラがいますからねえ。別方向から攻めるしかないのかもしれませんが。
会話のやりとりが一番面白いのはやっぱりアナスタシアさん。どこまで本気なのか分からないボケの連続はテンポが良くて楽しい。
ちょっと油断した隙にぽろっと本音をこぼしてしまったり、実際の行動に出してしまったりするところが可愛いんですよね。
銀兵衛は銀兵衛で、可愛らしいところもあるのだけれど、会話が妙に理屈っぽくなっちゃうんだよなあ。
あと意外と愛が重い。接しているだけで疲れそう。いや、それは3人とも同じか。
会長に関しては、ヒロインなのかそうでないのかさえ正直微妙な線ですよね。会長のハーレムエンド? いや、ない。それはない。


3人とも各々頑張っているけれど、それでもやっぱり秋子には勝てません。
秋人はシスコンなんじゃないかと堂々指摘されて、ようやく変化があるかと思ったら、秋子のこの返答ですよ。笑ってしまいました。
もうなんなんだよこの無意識バカップル兄妹! 他のヒロインが困惑してるだろうが!
でもやっぱり、秋人に一番ぴったりなのは秋子なんですよね。看病の場面はとても良かった。「妹」ならではの思いやりが感じられました。
攻守が逆転してもこの兄妹はニヤニヤさせてくれますね。もうそのまま永遠にいちゃいちゃしていればいいと思います。サブヒロインはあくまでサブでしかなかったんだよ。


と、相変わらずの秋子無双モードで終わるかと思いきや、ここにきてまさかの大型爆弾投下。
これでまた恋愛模様が動き出すのでしょうか。少なくとも秋子はかつてない恐慌に陥りそうですね。
まあ、秋人のシスコンっぷりが変わることは今後もなさそうですけれども。楽しみです。


しかし12歳か。12歳……ごくり。