まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

変態王子と笑わない猫。4

変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)

  • ストーリー

頭の中身が煩悩まみれな高校一年生、横寺陽人。
ある日、陸上部の練習をサボって保育園に侵入したところ、鬼の仮面をつけた小さな女の子に見つかってしまう。
決して素顔を見せようとしないその女の子と、いつの間にか仲良くなっていた陽人だったが……。


今回は5本の短編が収録された短編集。これを待っていました!
女の子の可愛さに定評がある作品だけあって、どの短編のヒロインも破壊力抜群です。もちろんイラスト込みで。
月子ちゃん派の私もついつい目移りしてしまいます。ううむ、悩ましい。


「月光ロストワールド」は、1巻発売前にウェブで公開されていた第0話の加筆修正版。
実は陽人と月子ちゃんは1巻よりも前に会っていた! というストーリー上でもかなり重要なエピソードなのに、2巻でも3巻でも載らなくて不思議に思っていたのですが、今回ようやく収録されました。
いつもながら、陽人と月子ちゃんのテンポのいい会話がとても楽しいです。やっぱり陽人の変態発言に一番似合うのは月子ちゃんのツッコミだと思うんですよね。
猫像に建前を取られていなくても普通に変態丸出しな陽人とは違い、本音をまだ取られていない月子ちゃんのリアクションは今よりもだいぶオーバーで新鮮。
今の無表情でクールな淡々としたツッコミもぞくぞくしますけど、いつかまたこんな月子ちゃんが見てみたいものですね。もちろん表情付きでね。
あとへそ。へそが凄かったです。へそってこんなにエロかったのか……。


「教会シンドバッド」は3巻で登場したエミとの過去話。
正直内容をほとんど覚えていなかったので気付くのにかなりかかってしまいましたが、そういえばエミとも過去に会っていたんですよね。
このお話はむしろ3巻よりも前に読んでおきたかったです。先にこちらを読んでおけば、3巻はずっと分かりやすくなっていたでしょうに。
まああれですね、陽人はほんとに昔から、見境なく変態だったんですね。よく通報されずに生きてこられたな。
最後の陽人へのクエスチョンが3巻でのあのキャラにつながったのだと思うと、エミにもなかなか可愛いところがあります。
それにしても、月子ちゃんといいエミといい、陽人の物忘れによって被害者続出ですよ。何やってるんだか。


「陸上ダイヤモンド」は鋼鉄さんが陽人と副部長を仲良くしようと頑張るお話。
鋼鉄さんの子供っぽさや天然っぷりが楽しいのですが、鋼鉄さん回と見せかけて実は副部長こそがヒロインですよね! ね!
恐らく作品中最難ルートの副部長ですけど、全面ツンだからこそ一瞬の貴重なデレ(?)にときめいてしまいます。
実は陽人以上の変態発言をさらっとかましていたりして、副部長、あなどれない娘。イラストがなかったのが残念でなりません。


「幻想メリーゴーランド」は怒涛の小豆梓タイムでした。
前回ラストのあれのおかげか、小豆梓がここに来て一気に月子ちゃんとの差を縮めてきました。まだ抜かれてはいないと信じたい。
しかしこの、本格的に攻めに出てきた小豆梓というのは、私も一瞬鞍替えを考えてしまうほどに可愛くて困ってしまいます。
でもそこは流石の月子ちゃん。最後はしっかりと引き戻してくれました。ああもう、どっちも可愛いなあ!


小豆梓が出てきたことで、一気に恋愛方面がヒートアップしていきそうな予感。
次に来るのは小豆梓の追い打ちか、はたまた月子ちゃんの反撃か。もしくは鋼鉄さんの横入りか。
どのヒロインも非常に魅力的なだけに、わくわくが止まりません。
とりあえず陽人は早く月子ちゃんのことを思い出すべき。次の巻も楽しみです。


死ぬ直前に聴きたい音楽のチョイスはなかなかにエッジが効いていて良いと思います。