まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

子ひつじは迷わない 泳ぐひつじが3びき

  • ストーリー

「迷わない子ひつじの会」に持ち込まれた相談は、水泳部で起きた盗難事件だった。
女子の更衣室から、学校の校章だけが全員分盗まれたのだという。
この謎めいた事件に対し、生徒会長はなぜか妙に積極的で……。


面白かった! 今回はキャラの掘り下げが多くて、パズル以外の部分でも色々と楽しめました。
だんだん恋愛要素も入ってきて、人間関係がどんどん愉快になっています。


第一話「VSメドレー」は水泳部での入り組んだ盗難事件のお話。
事件とまるで関係のなさそうなところからヒントを得て、予想外の方向から謎を解いてくるのが面白いんですよね。
確かな証拠があるわけでもなし、推理でもなんでもなくて想像とか妄想のたぐいなのかもしれませんけど、それで合ってるんだから仕方ない。
仙波の頭脳は今回も絶好調のようです。うーん、格好いいよなあ。
そうして明かされた真実を、さらにひねって依頼者に突き返すのがいつも通りの真一郎。
真実を解決法にすり替えるこのやり方は、何度見ても惚れぼれします。
仙波の小さな努力に萌え。


第二話「EXモルグ養生記」は仙波が体調を崩してしまうお話。
ここにきて佐々原がぐんと可愛くなってきましたね! 自分で気付くには至らない、ほのかな想いが透けて見えてニヤニヤしまくり。
でも当の真一郎は仙波を見ているわけで、この微妙な報われなさにまた心をくすぐられる。
そんな真一郎は、珍しく仙波といい雰囲気になっているかと思いきや、なぜか妙な方向に。
とはいえ、良くも悪くも仙波の態度に変化があったわけで、ラブを求める読者としてはこれはもう、深読みするしかないですよね!
で、そんな仙波の不自然さに気が付くのは佐々原だったりして、なんなのこの絶妙なトライアングル。


第三話「VS薄幸少女」はクラスメイトからいきなり絶交された理由を探るお話。
新たなヒロイン候補が登場しました。またも毒舌キャラです。素晴らしいドM仕様だな!
真一郎の過去のトラウマもなかなか興味深かったけれど、そんなことより遂に仙波の微デレを見ることができてテンション最高潮。
あの缶はなんのことか分からなかったのですが、1巻をぱらりと見返して気付きました。うおお、これは熱いっ。
一方的な関係がいつの間にかそうでなくなっていた、そのモチーフってことでいいんですよね? ね? たまりませんなあ。


真一郎や佐々原など、よく理解できなかったキャラのことをたくさん知ることができたように思います。
知れば知るほど愛着が湧いてくるものらしく、次第に登場人物のことが好きになってくる。
次はなんと初の長編ということで、この愛すべきキャラたちがどのように動いてくれるのか、関係にさらなる変化があるのか、今からとても楽しみです。


佐々原さんの水着は破壊力高すぎませんか……主に胸部が。