まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

変態王子と笑わない猫。3

変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)

  • ストーリー

体育祭が迫る九月の朝、月子と二人乗りで登校する陽人の前に、見知らぬ小さな女の子が現れる。
愛らしい笑い方をする女の子にいきなり抱きつかれた陽人は、混乱しながらも大喜び。
エミという名前のこの子は、どうやら親友・ポン太の妹らしく……。


新キャラにして新ロリヒロイン・エミが追加。
今回はエミの暴走にみんながとことん振り回されるお話になっています。


妙に読み辛く感じたのはなぜでしょう。ずいぶんと時間がかかってしまいました。
思うに、伏線や謎をちょっと詰め込みすぎかなあと。後から気付くとなるほどと思えるのですが、謎が解けるまではずっともやもやしっぱなし。
猫神の設定もよく分からなくなってきています。もちろん私の理解力(と記憶力)の問題もありますけれど。
明かされていない部分が多すぎて、ラブコメを楽しみながらも、ずっと頭にどこかが引っかかっていました。
もう一度初めから読めばきちんと理解できるでしょうか。4巻が出る前には1巻から読み返すのもいいですね。


ヒロイン陣は安定の可愛らしさでした。
ライバルになりそうな新ロリキャラが登場しても全くブレる気配のない月子。出だしからいきなり強力なアッパーを食らわせてくれちゃって早くも昇天寸前。
表情がないということがこれほどの魅力を発するなんてね。恒例のですます口調と相まって、もう勝てる気がしません。
鋼鉄さんはいつの間にか純然たるギャグ担当に。あの頃のビシッと決まった鋼鉄の王はどこへ行ってしまったの。
隙があるどころか、隙しか見当たらない。これはこれでキャラが立ってるし、陽人との漫才がとても面白いので個人的には結構好きです。
小豆梓(なぜかフルネームで書きたくなる)は今回、ちょっと重要なポジションでした。
陽人のことを避けながらも、つい気になってしまってこそこそするあたり、ニヤニヤさせられますね。
しかしなあ、ようやくやってきた小豆梓のターンなのに、エミの方が明らかに目立ってしまっているのがなんとも不憫。やはりそういう立ち位置なのか。永遠の二番手みたいな。
ラストで多少報われたようにも思えますけど、このままエンディングにはならないだろうし、漂うかませ犬臭をどうしてもぬぐいきれない……。
基本月子派の私ですが、小豆梓のことも応援しているのです。頑張ってほしいですね。


とりあえず事件は一段落したものの、本番はあくまで次巻から、といった雰囲気。
散りばめられた伏線がどんな風に花開くのか、今から楽しみなところです。
私の想像が正しければ、いつかモバイルで無料公開された第0話の内容が、遂に本編に食い込んできたように思います。
もうリンク切れになっていて読めないようなので、次巻あたりに収録してくれるんじゃないかな、などと密かに期待していたり。


ここにきて副部長こそが最強ヒロイン説を唱えてみる。