まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ココロコネクト キズランダム

ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)

  • ストーリー

“人格入れ替わり”を現象を乗り越え、おだやかな日常を取り戻した太一たち。
ところがある日、新たな試練“欲望開放”が五人に襲いかかる。
意識とは関係なく勝手に動き出す体と口が、五人の絆を打ち砕いていく……。


今回メンバーに降りかかったのは欲望の開放。
心のなかで本当にやりたいと思っていることをそのまま行動に移してしまうという、ある意味前回以上に危険な現象です。
ただでさえ多感で不安定な高校生、心のストッパーがなくなってしまうなんて、想像するだけでも恐ろしい。
隠していた気持ちをさらけ出してしまうかもしれないし、大切な人を傷つけてしまうかもしれない。
しかもそれが、いつ自分に起こるのか分からない。
今回稲葉や桐山は、自分の欲望に怯えて、他人を避けたり引きこもったりしてしまいますが、それも仕方のないことだと思います。


次第にバラバラになっていく5人ですが、そこで終わらないのが彼らの凄いところ。
どうしても太一に目が行きがちですが、今回頑張っていたのは伊織でしょうね。
何度拒絶されても諦めずに、必死で食い下がって会話をしようとしていました。
きっと自分の居場所を守ろうという気持ちでいっぱいだったんだろうと思うと胸が痛くなってきます。
太一は相変わらず色々なことを考えすぎ。ほんと、生き辛い性格の主人公だなあ。
それでも、発破をかけられてからの行動力は流石です。言われたことをそのまま実行できるのは才能でしょう。単純とも言うけれど。
格好良かったのは青木ですね! おちゃらけているように見えるけれどこまでも一途っていうギャップが卑怯。
聞いてるほうが恥ずかしいようなセリフをよくもまあ。青春だな!


最後の砦は稲葉でしたが、参りました。まさかこんなに可愛いなんて。エロいし。
伊織派だったけれど考えを改めなければならないようです。
稲葉には誰も勝てるような気がしません。太一がどこまで持つか見物ですね。
ああ、でも、伊織のまっすぐさにもきゅんきゅんしました。ライバル同士の友情って凄くいいよね。
青木と桐山もいい感じだし、次巻からの恋模様がどうなっていくのか楽しみでしょうがないです。


ホテルイベントが実行されなかったのはちょっと残念だとか思ってませんよ。本当ですよ。