まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

斬光のバーンエルラ

斬光のバーンエルラ (MF文庫J)

斬光のバーンエルラ (MF文庫J)

  • ストーリー

人間と魔法の民エルーランとの間に生まれ、母と2人で貧しい生活を送る少年・レネ。
ある日突然、暗殺者の少女・メイロンに襲撃を受けたレネだったが、旅の少女・ティナに命を救われる。
暗殺の依頼者に会いに行くと決めたレネに、母が託したものは1本の短剣だった……。


Twitterで読め読めと猛プッシュされたので手に取りました。王道ファンタジーですね。
貧しくてがさつな少年がなぜか暗殺者に狙われて、冒険の旅に出ることになります。
さまざまな危機をくぐり抜けながら、次第に自分の正体を知っていく、まっすぐで分かりやすいストーリーが魅力的でした。


レネほど短絡的で考えなしの主人公もあまりいないのではないでしょうか。気に入らないやつはぶん殴る、ガキ大将みたいなキャラですね。
暴力的というよりは子どもっぽいといった方がしっくりくるかもしれません。
自分を殺しに来た相手、そして殺しを命じた相手を、殺すのではなくただ単にぶん殴る。
表面的には乱暴者でも、実は心優しいところを持っていることが伝わってくる、好ましいキャラだと思います。


1巻目からヒロイン候補が続々と登場してきました。
ティナは今のところメインヒロインということでいいのでしょうか、あんまり目立っていない気もしますけど。
レネがバカっぽい分、ティナは一行のまとめ役みたいなところがあるので、可愛いところを発揮するチャンスになかなか恵まれませんでした。
まあレネみたいなタイプにはお似合いだと思いますけどね。年上だし。
メイロンはギャグ担当のおとぼけキャラでしたが、同じく暗殺者の姉の影に隠れてしまって、こちらも印象が薄めです。いい子なんですけど。
一番可愛かったのはなんといってもレネの義理の妹・シャルでした。ぶっ飛んだ思考とエロ方向に突き抜けた行動がいい。
レネからは全く相手にされていないけれど、頑張ってもらいたいところです。


敵キャラがどうしようもなく駄目な人間たちばかりでとても分かりやすい。
ぶっ飛ばしてほしい下衆みたいな敵を文字通りぶっ飛ばしてくれるのでスカっとします。
隠された謎が明らかになっていく展開もいいですね。よくあるストーリーかも知れませんけど、それだけに熱くて好きです。
ちょっと話が唐突すぎるところもありましたが、全体的にまとまっていたし、読みやすいと思います。次も楽しみ。


イラストは千葉サドルさん。モノクロイラストが素晴らしかったです。
シャルの可愛らしさはイラストの力によるところが大きいかもしれません。ツリ目は世界の理。