まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

聖剣の刀鍛冶10

聖剣の刀鍛冶10 (MF文庫J)

聖剣の刀鍛冶10 (MF文庫J)

  • ストーリー

突如襲った地震によって洞窟内に閉じ込められたルークとユーイン。
ヴァルバニルの末端らしき触手と戦いつつ、彼らは灼熱の闇の中を彷徨い続けていた。
一方、彼らが消息不明になったことを聞いたセシリーは、団員らと共に洞窟の探索に向かう……。


待ちに待った第10巻は、表紙が全裸でした。
毎回恒例のコスプレ表紙もとうとうここまで来たかという感じですね。
屡那さん、相変わらず素晴らしい仕事です。ありがとうございます!


ということで、手に取ったときは表紙の冒険っぷりに沸き立ったのですが、ひとたびページをめくってみるとそこはシリアス一辺倒。
今回はルークが主人公だったようで、洞窟に閉じ込められた2人の死闘がまざまざと描かれています。
普通なら絶望以外ありえないような状況の中、生き残るために、愛する人に再び会うために、全てを犠牲にして力を尽くす。
そんな彼らの姿は、勇ましくもあり、痛々しくもありました。
特にユーインが取った決断が凄い。でもこれが生き延びるっていうことなんだなあ。
いやいや、ユーインを甘く見ていたのかもしれません。その精神力に惜しみない賞賛を。


セシリーは疲れ切った体に鞭打ってルークたちの救出へ。
既にルークたちが行方不明になってから10日余りが経っていて、生存はまず望めない。
そんな中でも彼らが生きていることを信じて信じて、心から信じている。
やっぱり彼女は、本当にまっすぐにルークを信頼しているのですね。
絆を改めて目の当たりにさせられた気分です。もちろんセシリーだけではなくて、リサも。


試練をひとつ乗り越えてもまだまだ絶望は尽きません。
ラストはイラスト的にはとてもおいしいのになんとも切なかった。
辛い展開が続きますが、この物語の行く先に少しでも救いがあることを祈ります。
アリアと銘無しのこともあるし、とにかく次の巻が待ち遠しいですね。