まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

イリヤの空、UFOの夏 その3

  • ストーリー

ある日の放課後、晶穂は唐突に伊里野を誘う。
新聞でお店紹介の記事を書くため、その取材に行くということだった。
伊里野は誘いには乗らないだろうと思っていた晶穂だったが……?


「無銭飲食列伝」は伊里野と晶穂の大食い対決の話。
この対決の様子が凄まじい。ヒロインがこんなことしていいのかというレベルの泥臭さでした。
色んなものが飛び散っています。もうむちゃくちゃです。しかしそれが楽しい。
今まで浅羽以外にはまるで無関心だったように見えていた伊里野でしたが、ここにきてようやく晶穂にも感情を見せるようになります。
伊里野を毛嫌いしていた晶穂も伊里野のことを見直し、友人として付き合うまでになっていて、とても嬉しくなりましたね。
妙な勢いが感じられたし、終わり方も素敵でした。面白かったです。


「水前寺応答せよ・前後編」。
遂に事態が大きく動き出しました。
友達と楽しく過ごせるようになった伊里野の前に現れる榎本。
やっとここまで来ることができたのに……切ないですね。
伊里野を運命から救おうと頑張る浅羽もちょっと格好良く見えてきたかな。
でもその浅羽をあっさり凌駕してしまう格好良さを持つのが水前寺。ほんとなんなんだこの中学生。


書き下ろし短編は「番外編・ESPの冬」。
浅羽がまだ1年生の頃の新聞部のある1日を描いた話。
水前寺の超能力や科学の話はなかなか興味深かったですね。最終的にいきつくところがなんともこの2人らしい。
こんな部が自分の学校にあったら楽しいだろうなあ。入りたくはないですけど。


付録の駒都えーじさんラフスケッチ集が良かったですね。
本文にはほとんどイラストがないので新鮮でした。伊里野が可愛い。


次が最終巻。どのような終わりを見せてくれるのか楽しみです。