まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

多摩湖さんと黄鶏くん

多摩湖さんと黄鶏(かしわ)くん (電撃文庫)

多摩湖さんと黄鶏(かしわ)くん (電撃文庫)

  • ストーリー

二ヶ月前から付き合い始めた多摩湖さんと黄鶏くん。
多摩湖さんの方が二つ年上だけどなぜか下級生だ。
そんな大人で素敵なおねえさんと、エロいゲームを密室でプレイする、二人っきりのカードゲーム研究会の魅惑の日々。


もうだめだこのひとたち(褒め言葉)


入間先生の新作です。「みーまー」とは真逆、「電波女」よりもさらにコメディ方面に吹っ切れた作品になっていますね。
独特の語り口とぎっしり詰まったページは健在ですが、テンポよく読めるのでわりと読みやすいかもしれません。


登場人物はほとんど2人だけ。多摩湖さんと黄鶏くんのやりとり(≒いちゃいちゃ)だけが描かれていると言っても過言ではないかと。
4話+エピローグの構成になっていて、各話で多摩湖さんオリジナルのカードゲームをすることになるのですが、このゲームがひどい。
「脱衣ポーカー」。服をチップ代わりにして行うポーカーである…っておい。
もうこのシチュエーションだけでニヤニヤが止まりませんね。
ゲームは他に「キスババ抜き」「歳並べ」「たまこいこい」があります。
特にキスババ抜きの破壊力は絶大ですねというか本当に商品として出てもおかしくないと思いますこれ。合コンアイテムか何かで。
こんなゲームを考えだす多摩湖さんも多摩湖さんですが、ゲームが始まってからは黄鶏くんのターンです。
始めのほうこそツッコミ役の黄鶏くんですが、1ゲームやるたびに順調に変態度がアップしていき、いつの間にやら多摩湖さんの方がツッコミに。
思春期真っ盛りの男子高校生が女性の脇に目覚めてゆく過程をお楽しみください(笑)


とにかく全編にわたっていちゃいちゃしまくる2人ですが、不思議と見ていてもイライラしないんですよね。
あまりにぶっ飛んでいるために逆に微笑ましく思えるのではないでしょうか。いえ、人によるのかも知れませんが……。
そう考えると、この言葉もなんとなくしっくりくるような。

ぼくたち、ばかっぷるじゃなくて、へんたいかっぷるですもの。

確かにその辺のバカップルとは一線を画していますよね。色々な意味でね。


左さんのイラストもよかったです。
頬染め多摩湖さんがとても可愛い!