まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『バブみネーター』感想

バブみネーター (MF文庫J)

バブみネーター (MF文庫J)

ストーリー
るきっかけから年下の義母・綾音と義姉・雛と同居することになった高校生・一徹。神童と呼ばれた彼だったが、今やすっかり二人に甘えまくる『バブみライフ』に浸り切っていた。ところが、彼の前に現れた自称・未来人の少女ララァから、驚愕の事実を告げられる。なんと彼の義母と義姉は、世界の救世主となる一徹を堕落させるためGODという組織が未来から送り込んだ人造人間『バブみネーター』だというのだ。「アナタの家庭環境が仕組まれた陰謀だと知ってどう思う?」「ありがとうって思う」「思うなよ!?」。一徹は未来を救うため、義母と義姉が繰り出す極上のバブみの克服を決意するが……。いま、時代が産み落とした究極の「バブコメ」が産声を上げる!

後に人類の救世主となる天才高校生をバブらせオギャらせて堕落させるため未来から送り込まれた年下の母と年下の姉、それがバブみネーター! ……書いてて頭痛がしてくるぜ!
ということで義母(高一・巨乳)と義姉(小六・巨乳)に元神童ハイスペイケメンの主人公がひたすら甘えたおす誰得コメディでした。
いやもう、とにかくアホでカオスでアレでしかない怪作なんだけれど、めっちゃ笑っちゃったから何をどう言おうが私の負けなんだ……くやしい……。


今作における定義によれば、バブみとは「年下に母性を感じること」であり、オギャりとは「年下に甘えること」。
幼き頃に母を亡くして他者に甘えることなく行きてきた少年・一徹。
不幸な事故で父をも喪った彼が、突然できた年下の義母と、数年越しの再会を果たした年下の義姉にバブみ、オギャりを覚え、幼児退行化してしまうのは自然の摂理であった……そうだね……そうかな……いやおかしいだろ……。
マラソン大会であえて転んで泣きわめき飛んできたママ(年下)に膝をなめてもらったり、おうちに帰って上手にガラガラペッできたねってお姉ちゃん(年下)に頭なでなでしてもらったり、一徹の甘え方たるやもう強烈の極み。極みすぎてもはやバブの極み乙女。乙女じゃないけど。ガチガチの高二(♂)だけど。なまじその他が完璧だから余計に残念さが増している……。


そんな母と姉が未来の悪の組織から送られてきた刺客「バブみネーター」であると未来人の少女から聞かされ、バブみの誘惑に耐えながら脱オギャりの道を往こうとするのだけれど、骨の髄までバブみに浸かっている一徹はどんな更生プログラムを受けてもオギャりの誘惑から解き放たれることができないのだッ! 僕、なんで超真顔でこの文章を打ってるんだろう。
えー、まあ、正直私にはバブみの素養はないので、バブみやオギャりの良さはよく分からなかった(というか分かっても困る)のですが、さすがは壱日千次先生といいますか、切れ味鋭いギャグの応酬は健在で、大いに笑わせてもらいました。
終盤の展開はさらにカオス度が増していて、考えるな感じろを地で行くようなストーリー。でも笑えるか笑えないかでいったらめっちゃ笑えるからね。仕方ないよね。これが人類史に残すべき傑作かといえば絶対にそんなことはないけどね。でも面白いんだよね。
なんかもういっぱいいっぱいで疲れました。電気を消して、落ち着いて眠ろう、母の胸に抱かれる夢を見ながら……。


イラストはかとろくさん。バブみもオギャりも分からないが、このおっぱいの崇高さは分かる(断言)。
あ、ララァも可愛いと思うよ?


雛は謎が明かされたけど、結局綾音の方は何者なんだ……。