まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

楽園への清く正しき道程 国王様と楽園の花嫁たち

ストーリー
降りしきる雪の中、置き手紙だけを残して、ひとり城を出ていったカテリナ王妃。
彼女を連れ戻す決意を固めたルドヴィークは、五人の寵姫にしばしの別れを告げて王城を出る。
しかし、必死で探し回るうちに激しくなった雪で視界が阻まれ、足を滑らせてしまい……。



4巻目にして完結。短めのシリーズとなりましたが、最終的には、予想以上にしっかりとハーレムを構築して終幕となりましたね。
最後にルドヴィークのものになるヒロインは、やっぱりこの人。
もちろん他の寵姫もえらく可愛いし、特にアーデルハイドの破壊力には完全にやられたけれど、なんだかんだでカテリナが一番なんですわ。


次々に寵姫を増やしていくルドヴィークのところに居るのが辛くなり、城を飛び出したフロリンことカテリナ王妃。
いつか迎えに来てくれる人がいるとかなんとか言っていたけれど、結局、ルドヴィークのことが好きなんじゃん! ……というツッコミは、まあ野暮ってもんですね。
元々ルドヴィークに寵姫をあてがおうとしたのは彼女自身ですから、皮肉にも、過去の自分の行動が今彼女を苦しめているわけです。
もし彼女が初めからルドヴィークの告白を受け止めていたなら……と思わなくもないけれど、今は今の幸せが得られれば、それでいいのかな。


永遠に手に入らないという予言の「七番目」は、意外な人物でした。そして我らが国王は、七番目ではなく他の全てを選ぶのです。
ずいぶんな遠回りをしたような気もしますけど、ようやくカテリナと思いを通じ合わせることができてほっとしました。何かとお騒がせだし、一筋縄ではいかない女の子ですが、やっぱりルドヴィークの隣には彼女がいなくてはね。
愛の多いルドヴィークの伴侶を務めるのは大変だろうし、きっとたくさんヤキモチを妬くことになると思うけれど、少なくとも、いちゃいちゃするふたりの姿はとても幸せそうだったのでよしとします。
それから、他の五人とも存分にいちゃいちゃ! 中でも、アーデルハイドは凄かったですね。年上で仕事のできるクール美人って、ちょっとでもデレただけでえらくドキドキしちゃいます。野村先生、こういうヒロインを描くのが抜群に上手いんですよねえ。
振り返ってみれば、完全無欠にハーレムエンドのラブコメディで、まったく国王爆発しろってなもんですが、楽しく読ませてもらいました。
しかし、あとがきで何度か「最後のお仕事」ということが述べられていて、とても気がかりです。もちろんお身体のこともあるし、無理はしないでほしいけれど、でもやっぱり私は、大好きな野村美月先生の物語がもっと読みたいなと思ってしまうのです。いつまでも待ってます。


クラウスさんやり手すぎる(意味深)。