まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

放課後四重奏

放課後四重奏 (GA文庫)

放課後四重奏 (GA文庫)

ストーリー
人間嫌いのため寮を出て旧公務員室に住んでいる少年・灰道青。
彼はある日、屋上から飛び降りようとする少女・菜花心月と出会う。
口論の末、ふたりは揃ってプールへと落下してしまい……。



人間嫌いでぶっきらぼうな主人公灰道と、そんな彼を振り回す4人のヒロインとが繰り広げる青春学園ブコメディ。
前作が好きだったのでそれなりにハードルを上げて読んだのですが、面白かったです。きゅんきゅんする!
短めの章立てでとても読みやすいし、キャラクターそれぞれが生き生きと動いてくれるので彼らに引っ張られるままに読みきってしまいました。


ストーリーの流れは、灰道が作った同好会に持ち込まれたお悩み相談を彼なりのやり方で解決していくというもの。
なんといっても灰道、彼は面白いですね。基本人と交わりたがらないし、お悩み解決にも積極的ではないのに、結局最後には一応の解決へと導いてしまう。朴訥で不器用で、ちょっとずれた格好良さのある魅力的な主人公だと思います。人間関係の機微に疎く素直であるがゆえの天然ジゴロぶりはご愛嬌。
人間嫌いと言いつつ、ヒロインたちとのやりとりは意外に普通でまっとうだし、実は他人と関わるのが好きなんじゃないかという気さえしてきます。
今の彼のポリシーを形作ることになった過去の出来事が気になるところですが、たぶん菜花あたりがゆっくりと心を解きほぐしていってくれるはず。
メインになりそうなヒロインは3人……でしょうか。峰を加えるかどうかはまだ微妙なところですが。
女の子の可愛さを描くのが本当にうまいと思います。菜花も草ヶ部も空上も登場時は「なんだこいつ」って感じだったのに、なにげない日常の中で着実に可愛さを出してくるからずるい。特に菜花はずるい。袖きゅっがずるい。そりゃもうプールでもなんでも飛び込みますわ。
菜花だけやっぱり段違いに危うい部分があるので、どうしても応援したくなってしまいますね。


峰の行動はちょっと予想外だったというか、展開はやっ!
でも彼女のおかげで菜花がまた前に進めたのはよかったです。で、なんなんですかねこの謎シミュレーション。破壊力高すぎてニヤニヤが止まらないんですけど。
もうこれ分かっててやってるんじゃないの灰道さん。けしからんもっとやれ。
ふたりの今後も気になるけれど、草ヶ部も空上もこのまま黙ってはいないでしょうし、何より灰道自身のことがまだ残ったまま。
次巻ではそのあたりのことが描かれるのでしょうか。楽しみです。


イラストはぜろきちさん。菜花の瞳が印象的ですね。思わず引きつけられます。
ビジュアルでいうと草ヶ部も結構好き。


今宮には絶対に裏があると思っていたのに……。