まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒鋼の魔紋修復士3

黒鋼の魔紋修復士3 (ファミ通文庫)

黒鋼の魔紋修復士3 (ファミ通文庫)

ストーリー
セリバ・ビラノバの件のねぎらいのため、国王より王宮に招かれたヴァレリアとカリン。
その最中、同盟国ハイデロータから、新たな神巫の二人を披露するよう催促する書状が届けられる。
相手の目論見を察しながらも、あえて二人を差し向けることにする国王とオルヴィエトだが……。



南、西ときて、今度は北ですか。新人神巫にも容赦のない人使いの荒さ。
しかしそれだけ働かされると、さすがのヴァレリアにも少しずつ成長が見られるようになってきました。
ディミタールの望むような成長ぶり……というとまた、ちょっとムカッときてしまいますけれども、ヴァレリアを応援してきた身として、彼女が働けるようになって嬉しいのも事実です。
任務に対しての意識の変化もそうですが、何よりディミタールとの関係の変化が大きいですね。
ディミタールが一方的に指示を出すのではなくて、ヴァレリアの方からディミタールの意見を聞くことができるようになって、コンビとしてのやりとりが成立してきたように思います。ディミタールと協力して任務に挑むやり方を、彼女なりにつかんできたということではないでしょうか。
一方のディミタールの方も、ヴァレリアのことを認めていることが明らかになって……認めてるのか、あれは……? まあ、とにかく、なんとなくいい雰囲気になってきましたよね。あの二つ名は、なかなかいいチョイスでした。


ハイデロータの団長と神巫2名が登場しました。いやあ、面白い団長さんだ。イサークよりも好感は持てますね。あくまでギャグ要員としてですが。
不出来な上司に優秀な副官、大好きです。クロチルドさんは、初めのうちは嫌な感じでしたけど、だんだんその苦労人ぶりが見えてきて、なんとなく「頑張って」と言いたくなってしまいました。シジュベールだけならまだしも、マレーナもこんな具合では。いや、マレーナはとても愛らしくていいキャラだと思いますけどね。
しかしこうなってくると、他の国の神巫がどんな人物なのかということも気になるところです。
やっぱり、神巫によって得意な魔法とかも違ってくるのでしょうが、そのあたりのことも含めて、比べてみたいですね。もしかしたら、ヴァレリアが実際にどれだけ凄い才能の持ち主かということも、それで分かるかもしれません。逆かもしれませんけど……。


事件が一段落したところで、また新たな問題が発生。
わざわざ自分から巻き込まれに行くこともないのではと思わなくもないけれど、そっちの方が盛り上がることは確かだし、戦力的にもヴァレリアとカリンが揃っているし、もうどんと来いって感じですかね。
ヴァレリアの活躍に期待しつつ、次の巻もすぐに読みたいと思います。


「魔性の女オルヴィエト編」を待望。