まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

エンジェル・フェスタ!

ストーリー
少し特殊な海外経験を持つ17歳の少年・桜木陸。
名門女子校・星歌台学園の警備員のバイトに応募したはずが、なぜか学園アイドルのコーチにされてしまう。
だが、アイドルを目指す育成科の中でレッスンに来ているのは水無瀬みなもという少女ただひとりで……。



遂に来ましたアイドルラノベ! 戦場の中で幼少期を過ごした主人公が、落ちぶれた学園アイドル名門校のコーチとして就任する学園スポ根アイドルストーリー。
読む前は正直ラノベでアイドルものは難しいんじゃないかと考えていましたが、とても良かったです! まあ学園アイドルですし、どちらかというと部活ものに近いとは思うんですが。
ひときわ魅力を放つヒロインに引っ張られて、ひとりひとりメンバーが集まって、頑張って、失敗して、立ち上がる。輝いてる。これぞアイドル!


主人公・桜木は、傭兵だった父親に連れられて世界中に戦場を飛び回っていたという異端の経歴を持つ少年です。
なんでそんな奴が学園アイドルのコーチに……と思いきや、彼に託されたのは“水無瀬みなもをステージに立たせること”でした。
ある過去の出来事がきっかけで、ひとり努力を続けながらも、再びステージに立つことができなくなっていた少女・みなも。
そんな彼女に前を向かせるため、アイドルについては全くの門外漢ながら、自分にやれるやり方で、本気で彼女にぶつかって指導していく桜木。
いきなり5キロのマラソンから始まるあたり、スポ根です。熱いですね。この汗がアイドルを輝かせるんだよ!


そもそもメンバーがいないと始まらない、ということで、桜木はみなもの指導のかたわらメンバー集めにも奔走。
元々7人在籍している育成科ですが、ちゃんとレッスンに参加しているのがみなもだけという時点で、問題児だらけなことはお察しというものです。
でも、みなもが頑張っている姿を見て、桜木に説得されて、少しずつまた集まりはじめるメンバーたち。
私、こういうのに弱いんですよ。ひとりひとり仲間が集まってくるのって、いいですよね。テンション上がっちゃいますよね。
その中心にはやっぱりみなもがいて、誰よりも光を放っているのが素晴らしい。歌や踊りはもちろんだけれど、普段の何気ない、ちょっとヒネた会話がとても可愛らしくてとてもいい。ちゃんとリーダーが魅力的なアイドルは素敵だ。


一度は転んでしまったアイドル。でも彼女はまた立ち上がって、いつかあのステージへ!
まだメンバーも集まりきっていないFEALsが、ここからどのように羽ばたいていくのか、楽しみでなりません。次巻が待ち遠しいです。


イラストは川上哲也さん。アニメーターさんのようですね。キャラクターの表情が豊かで、実に安定感のあるイラストでした。
みなもが振り返っている一枚がとても好きです。


どうやら小説だけではないプロジェクトのようで。とりあえずCDはよ!