まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

椎名町先輩の安全日2

ストーリー
「危険日」の椎名町先輩を守るため、八殿家が所有する別荘にやってきた次郎たち。
そこで次郎は識の従姉妹である八殿朝顔、夕顔の双子姉妹と出会う。
仲間と一緒の喜びを感じつつも警戒を怠らない次郎だったが、折しも台風が到来、洋館は孤立してしまう……。



作品タイトルを変えた方がいいんじゃないかっていうくらいに椎名町先輩の影が薄い巻でした。なんというか、ほぼ寝てるし。
その代わりにメインヒロインと化していたのが、表紙にも抜擢された識です。バトルにラブにコメにと大活躍でした。元から一番好きなキャラだったので嬉しいですね。
嵐の洋館でサスペンス、おまけに双子のメイドさん! まさに様式美ともいえる状況にワクワクしました。


ロードの危険日と安全日のことは、相変わらず分かったような分からんような、うん、やっぱりよく分からんのですが、とりあえず今回は椎名町先輩の“条件付き”危険日。
先輩の護衛役としてわざわざ藤里と久宝まで連れてきていたのだけれど、相手の直接の目的が先輩ではなかったこともあって、この3人の活躍の場面が極端に少なかったです。
わけあって寝ていた先輩はともかく、藤里と久宝に至ってはちゃんと活動していたはずなのに出番がないという切なさ。平等に出番をとは言いませんが、せめてワンシーンのバトル描写くらいあってもいいのにと思いました。
彼女たちから削った出番は全部識と双子姉妹のもとへ。特に双子は新キャラにも関わらずイラストの大半の枚数を占める大暴れっぷりでした。まあ今回の話は双子が裏の主人公と言っても過言ではないので、それはそれでいいんですけども。
双子もなかなかにネジの飛んだキャラクターでしたが、次郎が他の誰よりもぶっ飛んでいるから困ります。
とはいえだいぶ心の動きを自覚できるようになっていて、識との間で何度かニヤニヤがあったのは良かったです。


識はつくづく格好良いキャラですね! 普段のセクハラだらけの言動と、いざという場面でのクールな対処とのギャップにクラクラします。
武器が糸っていうのがいいですよねえ。なんというかぐっとくるものがありますよねえ。
セクハラを含め、やたら識とのイチャイチャが多かったので私の中ではすっかり識がヒロインになっちゃっているんですけれども、どうも次郎は彼女のことを恋愛対象として見ていないようで気になります。
何やら秘密も抱えているようですし、もしかしたら物語の根幹に関わってくるキャラなのかもしれません。今後の展開が楽しみです。


こんなしっかりした見取り図があるなら巻頭に置いてほしかった。