女子モテな妹と受難な俺(3)

女子モテな妹と受難な俺 3 (ガガガ文庫)

• ストーリー

期末テスト勉強のための合宿と称して日向家に泊まりに来た小麦。
その真意を悟った明日太は、小麦から妹の貞操を守り抜くため、必死の行動を続ける。
ところがいざ一緒に暮らしてみると、小麦にも意外と可愛らしいところがあって……。


嘘だ！　小麦がこんなに可愛いなんて嘘だ！　こむぎゅう、こむぎゅううううぅ〜っ！（半狂乱）
ということで、1〜2巻では変態百合粘菌娘として作中最強のぶっ飛びキャラだったはずの小麦が、ここにきて一気にヒロイン化してきました。
いやあ、今日子、凛世、緋影と来ても、小麦だけはキョコたん好き好き大好きのままで安定だと思っていたんですけどねえ。
他の百合娘と比べても段違いで男嫌いのようだったし、今日子以外は眼中に無いものだとばかり。
どこかにそういうそぶりがあったでしょうか？　凛世にばかり注目していたせいか、全く気付きませんでしたけど。油断していたなあ。
何より凄いのは、あざとい口調や引いてしまうほどの腹黒っぷりで、もうヒロインとしても願い下げというくらいだったのに、そんなマイナスイメージをまるっきり吹っ飛ばしかねないほど、めちゃくちゃに可愛くなっているところです。
しかし改めて思ってみれば、丁寧語口調だし、呼び方は「お兄様」だし、男への耐性がないし、今日子や凛世と比べて弱々しいしで、後輩キャラとしての潜在能力は実は誰よりも高かったんですよね。
なんだかんだで、あっという間に凛世に並んでしまったような気さえします。小麦、恐ろしい子……！


一方の凛世ですが、何度か思わせぶりな発言をしながらも、今回はそれほど見せ場なし。
まあ、相手がこの仏像オタクですからね。ただの鈍感とは次元が違います。恋をする方も大変なんでしょう。
でも最後の最後でしっかり自分のターンへと引き込むあたり、まだまだ侮れないなと思いました。
緋影は地味においしいところを持って行きましたね。普通に格好良くて笑ってしまいました。
やっぱりただの痛い子じゃなかったんですよ。痛いことに変わりはありませんけど。
百合カップルとしては、地味に今日子と緋影が一番お似合いなんじゃないかなあなんて考えたり。
保健の先生や小麦のお姉さんなど、他にも準ヒロイン（？）が出てきましたが、あんまりときめきませんでした。
明日太がいくら年上に弱かったとしても、結局年下ヒロインの圧倒的な破壊力には勝てないんですよ。
私の趣味の問題ではありませんよ。ほんとです。ほんとですったら。


ラブはますます加速を続けますが、なんとなく置いてきぼりになっているのが今日子ですね。
ここらでびしっと、実妹という圧倒的アドバンテージを生かした攻めを見せて欲しいところです。
明日太も一枚めくれば今日子にデレデレですからねえ。今日子の本気に期待。
凛世が次にどう出てくるかというのも気になりますね。次巻も楽しみです。


カラーピンナップの小麦が実にけしからんですな。ぜひともその紐をこう、くいっと……。