まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

電波女と青春男(6)

電波女と青春男〈6〉 (電撃文庫)

電波女と青春男〈6〉 (電撃文庫)

  • ストーリー

文化祭がやってきた。今年のテーマは『引力』らしく、来場者はそれぞれ色違いの糸を小指に結んでいる。
自分と同じ色の糸を巻いている人を見つければ、メインのライブイベントにアリーナ席で参加できるということだ。
このチャンスに青春ポイントの大量ゲットを狙う真、そして「せーしゅん女」を目指すエリオは……?


いやあ、面白かった。
毎度の入間文章に頭がぐるぐる。でもいつの間にか読み切っているんですよねえ。
不思議な魅力をもった文体だと思います。読み終わった後はしばらく頭痛がやまないんですけど……。


1冊を丸ごと使って文化祭の1日を描いています。
ヒロイン陣が入れ替わり立ち替わり登場しながらのドタバタが楽しいですね。前川さん、リュウシさん、女々さん……あれっ。
いやあ、丹羽くんは相変わらずモテますな。特にリュウシさん。そろそろ丹羽くんも気付いてもいいんじゃないですかね。
リュウシさんはエリオとのやりとりも良かったです。
ミッキーとの電話で出たあの一言にはじんとしました。ああくすぐったい!


他作品からのゲストがたくさん登場して楽しいですね。
他の作品のキャラを出すことには否定的な意見もあるでしょうが、個人的には分かる人が楽しめばそれでいいんじゃないかと思います。
今回は某へんたいカップルが大変な存在感を放っていました。改めて外のキャラの目線で見るとこいつらほんとに……まあいいか。


終盤に行くにつれての盛り上がりがもの凄かったです。
バラバラだと思っていたのにまさかこんなことになろうとは。伏線の周到さに鳥肌が立ちました。
4〜5巻を読み返しておくべきだったなあ。そこだけが悔やまれます。
最後のエリオのシーンは本当に素晴らしかった。ついにここまでこれたかと思うと胸に響くものがありますね。順調に「せーしゅん女」への道を突き進んでいるようで、自分のことのように嬉しいです。
壇上に上がった彼女の勇気や頑張りはもちろん、エリオをここまで後押ししたイトコたち一行や裏方に徹したあの人たちにも惜しみのない拍手を。
引力って素敵ですね。


最後のオチがまた秀逸でした。ちょっと不思議に思ってたあれはそんな理由からだったのか。
またうまいことしてやられたなあ。


ブリキさんのイラストには今回も完全敗北。
特にピンナップのエリオには心を全部もっていかれたような気がします。
匂いフェチ丹羽くんのイラストは噴かずにいられなかった……。