まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』感想

豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい (ファンタジア文庫)

ストーリー
大人気アニメ『シューヤ・マリオネット』には、嫌われ者が存在する。魔法学園に通うデニング公爵家三男こと豚公爵だ。そんな悪役に転生してしまった俺は、このままじゃバッドエンド直行!? ……だけど熟知したアニメ知識と、『全属性の魔法使い』なんていう無双能力を駆使すれば、学園の人気者になって、運命も変わるハズ! そして、アニメの中では成し遂げられなかった豚公爵のささやかな願い――「おはようございます、スロウ様!」滅ぼされし大国のお姫様。今は俺の従者である愛しのシャーロットへ。君に相応しい男になって、告白してやるんだ。

アニメに登場する嫌われ者の「豚公爵」に転生した主人公が、最愛の従者と一緒にいるために奮起する転生×魔法ファンタジー
豚と揶揄された主人公が、ただ1人の女の子のために懸命に努力する姿が熱い。史上最高の魔法の才能をここぞという場面で披露してみせるのも、ベタながら盛り上がり抜群でよいですな。


カクヨムで同ページ分くらい読んでから書籍版に手を伸ばしたのですが、だいぶ修正が加わっているようでほぼ別人になっているキャラクターも何人か。どちらも面白いけれどヒロイン・シャーロットは書籍版の方がよりキャラクタライズされていて分かりやすく可愛いかも。
元王女ながらその事実を隠し、豚公爵の従者としてドジっ子メイドを励む彼女。そんなシャーロットのために人生の全てを懸ける主人公スロウ。
前世のことを思い出してからのスロウもそうだけれど、実はこれまでの「黒豚」スロウが周囲に迷惑ばかりかけていたのも、シャーロットのことを一途に想い続けていたからだったというのがなかなか染みる。
愛する少女のために富も名声も全て投げ出して嫌われ者に徹する……そんな主人公もそれはそれで格好良いけれども、やっぱり努力した分だけ報われてほしいじゃない!


その他、元婚約者の王女・アリシアや、平民の後輩女子・ティナ(web版から性転換しとびっきりのヒロインに)もそれぞれ魅力的で甲乙つけがたい。
個人的にはアリシアがなー! ヒロインとしてはめっちゃタイプなんだけどなー! 日頃思いっ切り目の敵にしているスロウを、実はどこか胸の奥では信じている部分があって、スロウとアリシアが口には出さず心の中で通じ合う終盤の超ピンチなシーンとか、めちゃくちゃ胸アツで最高でした。
でもさすがに物語上、シャーロット以外のメインヒロインは考えられないので、アリシアは激烈可愛いサブヒロインとして羽ばたいていってもらいたいと思います。
2巻はどうやらアリシアメイン回になりそうなので期待。早めに読みたいですね。


イラストはnauribonさん。豚なんだけれども格好良いカラーピンナップのスロウがめっちゃ良かったです。
あとティナさん、そんな防御力ペラペラキャミソールで外出ちゃアカンでしょ……(ありがとうございます)。


コミカライズもちょっと気になるぞ。