まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(4)

ストーリー
綾音と距離をおくことを選んだ詩也に対し、同様を隠しきれない綾音。
間近に控えるクリスマス公演は、「チーム・デネブ」を脱退したカレナを客演に迎えた『エロスとプシケー』に決定する。
謎を秘めた詩也と正体を隠す愛の神エロスが重なり、綾音は演技が出来なくなってしまい……。



はああああ、もう、素晴らしかったっ! やっと、やっとここまでたどり着いてくれましたか……。
前巻から引き続き詩也があまりに阿呆すぎて、綾音さんと互いに想い合っているのにすれ違いまくりで、ちょ、お前、ばか、コンニャロ、っていう感じだったのですが。
さらけ出して、分かりあって、また一緒に歩いてゆくことを決めたふたりの姿に、胸がきゅんきゅんでした!


自分が吸血鬼であることを考え、綾音さんから身を引くことを決めた詩也。
でもいきなりそんな風に距離を取られたものだから、綾音さんはみるみるしょげ返ってしまって、演技まで出来なくなってしまう一大事に……。
綾音さんのこれからのことを思って、諦めようとするのも、まあ分からなくはないけれど、あまりに彼女の方の気持ちを思っていなくってむかむかしました。
綾音さんはこんなに一途に、詩也のことを気にかけているというのに……雫とデートなんかしている場合じゃないんですよ! まったくもう!
ここまでこじれてしまったら、また打ち解けあうためには、まあ、こうするしかないよね、ということで。
予想していたより早い白状でしたが、この秘密を乗り越えるだけの絆は、もう十分に築かれていたということですね。これだけ怖い思いをしても、笑顔で会いに来てくれる。ああ、この包容力。綾音さんは本当に素敵な女性だ。


綾音さんが演技を取り戻して、ついでに詩也とのラブシーンがさらにあつあつになった『エロスとプシケー』。
客演としてやってきたカレナ先輩が、実においしいキャラクターでよかったですね!
もちろん演劇でも素敵だったのですが、ひとりの先輩としても、とても魅力的な人でした。冷たいことを言っているようで、ちゃんと綾音さんのことを認めていて、さりげなく詩也とのことを応援していたりもして。ただの高飛車お姉様ではなかったのですね。
カレナ先輩のアフロディーテの活躍もあり、美と愛とエロティシズムに溢れた、とても華やかな演劇になりました。特にカレナ先輩のキスシーンはエロすぎて、うっかりしたら惚れてしまいそうでした……。
そしてクリスマス・イブの贈り物。もう何も言えません。ふたりの未来に乾杯だよこんちくしょう!


乃木坂ナイツのカレナ様への愛の形がおかしくて笑ってしまいました。ファンの間でもそういう扱いなのね。