まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

独創短編シリーズ2 野崎まど劇場(笑)

ストーリー
昨今絶大な人気を誇る医療行為投稿サイト『お医者さんになろう』。
『なろう』で「上」を目指す高野は、投稿した手術の評価が伸びないことに悩んでいた。
そんなある日、彼は友人で人気投稿者の一条から、『なろう』でトレンドの心臓外科手術に誘われ……。



キレッキレなユーモアと悪ふざけに満ちた奇跡の短編集・第2弾。
前回に引き続き、イラストやCG、文字遊びに写真まで、様々なビジュアルイメージを取り入れたページが最高にロックでした。これぞエンタテイメント。
作者とイラストレーターはもちろん、編集や紙面デザイナーにも最大級の賛辞を贈りたいですね。


収録されている短編は22本+あとがき、巻末おまけ、カバー裏で25本くらい。
頭からラストまで「何やってんだこいつ」って感じの『Café Bleuetは元気です』や『大相撲秋場所フィギュア中継』みたいな話もあれば、きちんと読むと妙に味わい深い『年下退魔師』や『クウ!』みたいな話まで、本当に色んな不思議ストーリーが詰め込まれていて、全く飽きを感じさせません。
『白い虚塔』は、巻頭一発目から笑わせてもらいました。書き下ろしで『なろう』をネタにもってくるあたり、流石としか言いようがない。
『全年齢向官能小説 人妻悦料理 〜媚猫弄り地獄〜』は、電車の中で読んでニヤニヤ笑いを隠すのに必死でした。だめだ、これを見てニヤっちゃうのは心が汚れてる!
そんな中、演出面で面白いと思ったのは『人生RありゃQもあるさ』。こちらも電車の中で読んだのですが、笑いながら文庫本のページをパシャパシャ撮影しまくるただの変人に見えていたことでしょう……。


個人的にはボツコーナーがかなりお気に入りです。作者の趣味がより如実に表れている気がします。まあ『のりもの の えほん』みたいに超どうでもいい話もあるんですけど……。
『メーユー夏バリューチャレンジ』とか、多分今回一番笑いました。しばらくは、あの携帯電話会社のCMを見るたびに笑ってしまいそう。
『麻雀出エジプト記』の喧嘩の売りっぷりとか、『まごのてコレクション』のブラックっぷりとか、読んでるとゲスな笑いがこみ上げてきて悔しかったです。
いやあ、今回も満足度の高い1冊でした。雑誌の方はもう読んでいないのですが、まだ連載は続いているようですし、次巻も出てくれるのかな。楽しみ。


ヒロスェのアイコンは卑怯だろ。